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寝たきり度 (障害高齢者日常生活自立度)

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基本情報

正式名称: 障害高齢者の日常生活自立度 (寝たきり度)

日本語名: 障害高齢者日常生活自立度

対象年齢: 65歳以上の高齢者(何らかの障害を有する者)

評価目的: 身体機能・ADL評価

実施時間: 約5-10分

開発背景

開発者: 厚生労働省(旧厚生省)

理論的基盤: 移動能力を中心とした日常生活自立度の段階的評価

著作権・使用条件

本評価基準は厚生労働省が策定した公的な評価指標であり、要介護認定調査等の公的制度で使用されています。

パブリックドメイン
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan (Guidelines 2015)
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項 日本国内では自由に使用。ガイドラインを引用

尺度構成

全体構造

  • 総カテゴリ数: 4段階(自立、J、A、B、C)
  • 詳細分類数: 9段階(自立、J-1、J-2、A-1、A-2、B-1、B-2、C-1、C-2)
  • 評価方式: 観察による単一選択評価

カテゴリ詳細

1. 自立

  • 全く障害等を有しない健常高齢者

2. ランクJ(生活自立) - 2項目

  • J-1: 交通機関等を利用して外出する
  • J-2: 隣近所へなら外出する

3. ランクA(準寝たきり) - 2項目

  • A-1: 介助により外出し日中はほとんどベッドから離れて生活する
  • A-2: 外出の頻度が少なく日中も寝たり起きたりの生活をしている

4. ランクB(寝たきり・座位保持可能) - 2項目

  • B-1: 車いすに移乗し食事・排泄はベッドから離れて行う
  • B-2: 介助により車いすに移乗する

5. ランクC(寝たきり・座位困難) - 2項目

  • C-1: 自力で寝返りをうつ
  • C-2: 自力では寝返りもうてない

信頼性・妥当性

信頼性

  • 評定者間信頼性: 要介護認定調査での標準的使用により高い信頼性を確保
  • テスト再テスト信頼性: 概ね1週間の観察期間での状況評価により安定性を担保

妥当性

  • 併存的妥当性: 要介護度認定との高い相関
  • 予測的妥当性: 介護サービス必要度との強い関連
  • 構成概念妥当性: 移動能力を軸とした段階的評価構造の妥当性

得点化・解釈

基本分類

ランク分けによる質的評価(数値スコア化は行わない)

自立度の目安

  • 自立: 障害なし、介護不要
  • ランクJ: 生活自立、外出可能、軽度の支援
  • ランクA: 準寝たきり、外出時介助要、中等度の支援
  • ランクB: 寝たきり(座位可能)、日常生活介助要、重度の支援
  • ランクC: 寝たきり(座位困難)、全面介助要、最重度の支援

実施上の注意点

対象者

  • 何らかの障害を有する高齢者(健常高齢者は対象外)
  • 疾病・傷害・後遺症・老衰による身体機能低下者

評価者

  • 要介護認定調査員
  • 医療・介護従事者
  • 移動状態の観察・評価能力が必要

制限事項

  • 「能力」ではなく「状態」の評価(特に移動に関わる状態像)
  • 補装具・自助具使用状態での評価も可
  • 時間帯・体調による変動がある場合は概ね1週間の状況で判定
  • 健常高齢者は評価対象外

参考文献

  • 厚生省「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」(平成3年11月18日 老健第102-2号)
  • 厚生労働省「要介護認定認定調査員テキスト」