認知症自立度 (認知症高齢者の日常生活自立度)
詳細情報
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基本情報
正式名称: 認知症高齢者の日常生活自立度
日本語名: 認知症高齢者の日常生活自立度
対象年齢: 高齢者(主に65歳以上)
評価目的: 認知症重症度評価 (日本版)
実施時間: 5-10分
開発背景
開発者: 厚生労働省老人保健福祉局
発行年: 1993年(平成5年)制定、平成18年改正
理論的基盤: 日本の介護保険制度、要介護認定システム
著作権・使用条件
厚生労働省制定の公的評価基準のため、著作権制約は最小限。日本の介護保険制度における標準的評価指標として広く使用されている。
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan (Guidelines 2015)
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項
日本国内では自由に使用。ガイドラインを引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 7段階(ランクI、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IV、M)
- サブスケール数: なし(単一指標)
- 評価方式: 7段階選択式(最も適合するランクを1つ選択)
ランク詳細
1. ランクI - 軽度
- 何らかの認知症を有するが日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立
- 在宅生活基本、一人暮らし可能
- 自立度レベル: ほぼ自立、在宅生活可能
2. ランクIIa - 中軽度(家庭外)
- 家庭外で日常生活に支障、誰かが注意していれば自立可能
- 道に迷う、買い物・金銭管理のミス
- 自立度レベル: 注意・見守りがあれば自立
3. ランクIIb - 中軽度(家庭内)
- 家庭内でも日常生活に支障、誰かが注意していれば自立可能
- 服薬管理不可、留守番不可
- 自立度レベル: 注意・見守りがあれば自立
4. ランクIIIa - 中等度(日中)
- 日中中心に日常生活に支障、ときどき介護が必要
- 着替え・食事・排泄困難、徘徊・失禁等
- 自立度レベル: ときどき介護が必要
5. ランクIIIb - 中等度(夜間)
- 夜間中心に日常生活に支障、ときどき介護が必要
- 自立度レベル: ときどき介護が必要
6. ランクIV - 重度
- 頻繁に日常生活に支障、常に介護が必要
- 常時目を離せない状態
- 自立度レベル: 常に介護が必要
7. ランクM - 専門医療要
- 著しい精神症状・問題行動、専門医療が必要
- せん妄・妄想・興奮・自他害行為
- 自立度レベル: 専門医療が必要
信頼性・妥当性
信頼性
- 評定者間信頼性: 高い(κ係数0.7以上)
- テスト再テスト信頼性: 高い(認知症進行性のため期間限定)
妥当性
- 基準関連妥当性: 要介護度との高い相関
- 構成概念妥当性: 認知症重症度と日常生活能力の関連性を適切に反映
- 予測妥当性: 介護サービス必要量の予測に有効
得点化・解釈
基本得点
段階的分類のため数値得点はなし。ランク判定のみ。
自立度レベルの目安
- ランクI: ほぼ自立、在宅生活可能
- ランクII(IIa、IIb): 注意・見守りがあれば自立
- ランクIII(IIIa、IIIb): ときどき介護が必要
- ランクIV: 常に介護が必要
- ランクM: 専門医療が必要
実施上の注意点
対象者
- 認知症の症状がある高齢者
- 要介護認定申請者
- 介護サービス利用者
評価者
- 認定調査員(市町村職員、委託ケアマネジャー)
- 医師(主治医意見書作成時)
- 看護師・介護職員(ケアプラン作成時)
制限事項
- 認知症以外の身体機能障害は別途「障害高齢者の日常生活自立度」で評価
- 短期間での症状変動は最も重い状態で判定
- 薬物等による症状改善時は改善後の状態で判定
参考文献
- 厚生労働省老人保健福祉局長通知(平成18年4月3日老発第0403003号)
- 「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について