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水飲みテスト (水飲みテスト・改訂水飲みテスト)

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基本情報

正式名称: 水飲みテスト・改訂水飲みテスト

日本語名: 水飲みテスト・改訂水飲みテスト

対象年齢: 制限なし(嚥下機能評価が必要な全年齢)

評価目的: 嚥下機能簡易評価

実施時間: 5-10分程度

開発背景

開発者: 窪田俊夫ら(30ml水飲みテスト)、才藤栄一ら(改訂水飲みテスト)

発行年: 1982年(WST)、1999年(MWST)

理論的基盤: 嚥下反射機能の評価

著作権・使用条件

原典論文の著作権は各著者・出版社に帰属します。

パブリックドメイン
原開発者: Hughes (1998)
日本語版: Japanese version validated
利用時の推奨事項 出典を引用

尺度構成

全体構造

  • 改訂水飲みテスト: 3ml冷水使用、5段階評価
  • 30ml水飲みテスト: 30ml常温水使用、5段階評価
  • 評価方式: 観察による段階的評価

評価項目詳細

改訂水飲みテスト(MWST)- 5段階評価

  • 1点: 嚥下なし、むせる and/or 呼吸切迫
  • 2点: 嚥下あり、呼吸切迫
  • 3点: 嚥下あり、呼吸良好、むせる and/or 湿性嗄声
  • 4点: 嚥下あり、呼吸良好、むせなし
  • 5点: 4点に加え、反復嚥下が30秒以内に2回可能

30ml水飲みテスト(WST)- 5段階評価

  • 段階1: 1回でむせることなく飲むことができる
  • 段階2: 2回以上に分けるが、むせることなく飲むことができる
  • 段階3: 1回で飲むことができるが、むせることがある
  • 段階4: 2回以上に分けて飲むにもかかわらず、むせることがある
  • 段階5: むせることがしばしばで、全量飲むことが困難である

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 標準化されたプロトコルにより高い信頼性
  • 評定者間信頼性: 訓練された評価者間で高い一致率

妥当性

  • 感度: 0.70(MWST、カットオフ値3点)
  • 特異度: 0.88(MWST、カットオフ値3点)
  • 併存的妥当性: 嚥下造影検査(VF)との高い相関

得点化・解釈

改訂水飲みテスト

  • 正常: 4-5点
  • 要精査: 3点以下
  • 緊急対応: 1-2点(呼吸切迫、嚥下不能)

30ml水飲みテスト

  • 正常: 段階1で5秒以内
  • 嚥下障害疑い: 段階1で5秒以上または段階2
  • 異常: 段階3-5

実施上の注意点

対象者

  • 意識清明で指示に従えること
  • 座位または半座位が保持可能
  • 口腔ケア実施後の清潔な状態

評価者

  • 医師、看護師、言語聴覚士など訓練された医療従事者
  • 嚥下反射の触診技術が必要
  • 緊急時対応が可能な環境

制限事項

  • 不顕性誤嚥は検出できない
  • スクリーニング検査のため、詳細評価にはVF/VEが必要
  • 重度の意識障害では実施困難

参考文献

  • 窪田俊夫ら. 脳血管障害における麻痺性嚥下障害-スクリーニングテストとその臨床応用について. 総合リハ 1982;10(2):271-276
  • 才藤栄一ら. 改訂水飲みテスト. 摂食・嚥下リハビリテーション学会誌 1999