臨床評価スケール ClinicalScale  CliniScale 臨床評価スケール情報

CliniScale で入力

改訂Rai分類

詳細情報

このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。

正確な情報については、必ず原典を参照してください。

業務でのご利用には、個人情報・個人データを侵害しないウェブ問診システムの セキュア問診票 をご利用ください。
患者さんの個人データに、運営会社や第三者はアクセス不可能である、という点が最大の特徴です。
個人データの流出や営利目的の転用は絶対にありません!

基本情報

正式名称: 改訂Rai分類

日本語名: 改訂Rai分類

対象年齢: 全年齢(主に50歳以上の成人)

評価目的: 慢性リンパ性白血病病期分類

実施時間: 5-10分

開発背景

開発者: Rai KR, et al.

発行年: 1975年

理論的基盤: 慢性リンパ性白血病の臨床所見と予後の関連性

著作権・使用条件

改訂Rai分類は1975年に報告された慢性リンパ性白血病の病期分類システムです。医学的な病期分類システムとして広く使用されています。

パブリックドメイン
原開発者: Rai KR et al. (1981)
日本語版: Japanese hematology use
利用時の推奨事項 自由に使用。引用

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 5項目(リンパ節腫脹、肝腫大、脾腫大、貧血、血小板減少)
  • 病期数: 5段階(病期0-IV)
  • リスク群数: 3群(低・中間・高リスク)
  • 評価方式: 身体所見と血液検査所見による分類

病期分類詳細

病期0 - 低リスク

  • リンパ球増多のみ
  • リンパ節腫脹、肝脾腫、貧血、血小板減少なし

病期I - 中間リスク

  • リンパ球増多+リンパ節腫脹
  • 肝脾腫、貧血、血小板減少なし

病期II - 中間リスク

  • リンパ球増多+肝脾腫
  • リンパ節腫脹の有無は問わない
  • 貧血、血小板減少なし

病期III - 高リスク

  • リンパ球増多+貧血(Hb<11g/dL)
  • その他の所見の有無は問わない
  • 血小板減少なし

病期IV - 高リスク

  • リンパ球増多+血小板減少(<10万/μL)
  • その他の所見の有無は問わない

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 病期の進行と予後の相関性が確認されている
  • テスト再テスト信頼性: 身体所見と血液検査に基づく客観的評価
  • 評定者間信頼性: 標準化された診断基準による高い一致性

妥当性

  • 予後予測能: 各病期での50%生存期間が確立されている
  • 治療指針との関連: 高リスク群で治療開始推奨と相関
  • 国際的妥当性: 米国で標準的に使用、日本でも併用されている

得点化・解釈

基本分類

各所見の有無により病期0-IVに分類

リスク群分類の目安

  • 低リスク(病期0): 50%生存期間10年以上、経過観察が標準
  • 中間リスク(病期I-II): 50%生存期間8年以上、経過観察が標準
  • 高リスク(病期III-IV): 50%生存期間6.5年、治療を考慮

実施上の注意点

対象者

  • 慢性リンパ性白血病と診断された患者
  • リンパ球数5,000/μL以上が3か月以上持続する患者

評価者

  • 血液内科医またはそれに準ずる専門医
  • 身体所見の取り方と血液検査の解釈に習熟した医師

制限事項

  • 日本では慢性リンパ性白血病自体が稀な疾患
  • 欧州ではBinet分類が主流
  • 活動性病態の評価も治療決定には重要

参考文献

  • Rai KR, et al. Clinical staging of chronic lymphocytic leukemia. Blood. 1975 Aug;46(2):219-34.
  • 日本血液学会編: 造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版,金原出版, 2023