再不貧重症度 (再生不良性貧血重症度基準)
詳細情報
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基本情報
正式名称: 再生不良性貧血重症度基準
日本語名: 再生不良性貧血重症度基準
対象年齢: 全年齢
評価目的: 再生不良性貧血重症度評価
実施時間: 5-10分
開発背景
開発者: 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業研究班
発行年: 令和4年度(2022年度)改訂版、令和5年(2023年)3月発行
理論的基盤: 血球減少の程度と輸血必要性による重症度分類
著作権・使用条件
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
- 特発性造血障害に関する調査研究班
- 研究代表者:三谷絹子(獨協医科大学)
- 改訂版作成責任者:山﨑宏人(金沢大学)
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項
厚生労働省を引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 主要評価項目3項目(網赤血球数、好中球数、血小板数)+ 輸血情報
- 分類段階数: 5段階(Stage 1-5、Stage 2はa/bに細分)
- 評価方式: 血液検査データと輸血必要性による客観的評価
評価項目詳細
Stage 1(軽症)
- 下記以外で輸血を必要としない
Stage 2(中等症)
以下の2項目以上を満たす:
- 網赤血球数:60,000/μL未満
- 好中球数:1,000/μL未満
- 血小板数:50,000/μL未満
細分類:
- Stage 2a: 赤血球輸血を必要としない
- Stage 2b: 赤血球輸血を必要とするが月2単位未満
Stage 3(やや重症)
- Stage 2の血液学的基準2項目以上を満たす
- かつ月2単位以上の赤血球輸血を必要とする
Stage 4(重症)
以下の2項目以上を満たす:
- 網赤血球数:40,000/μL未満
- 好中球数:500/μL未満
- 血小板数:20,000/μL未満
Stage 5(最重症)
- 好中球数:200/μL未満
- かつ以下の1項目以上:
- 網赤血球数:20,000/μL未満
- 血小板数:20,000/μL未満
信頼性・妥当性
信頼性
- 診断一致性: 血液検査値による客観的評価のため高い再現性
- 評価者間信頼性: 検査値に基づくため評価者間のばらつきは最小限
妥当性
- 予測妥当性: 重症度と予後の強い相関が確認されている
- 治療反応性: 重症度に応じた治療選択の有効性が確認済み
- 国際的承認: Camittaらの国際的分類基準と整合性あり
得点化・解釈
基本判定
血液検査データと輸血情報から自動的に重症度を判定
重症度分類の臨床的意味
- Stage 1(軽症): 経過観察または軽度治療、予後良好
- Stage 2a(中等症-輸血不要): シクロスポリン(CsA)による治療を検討
- Stage 2b(中等症-輸血要): 免疫抑制療法を検討
- Stage 3(やや重症): 免疫抑制療法を検討
- Stage 4-5(重症-最重症): 免疫抑制療法またはHLA一致同胞からの造血幹細胞移植を検討
実施上の注意点
対象者
- 再生不良性貧血の診断が確定した患者
- 適切な血液検査データが利用可能な症例
- 他疾患(MDS、PNH、白血病など)が除外されていること
評価者
- 血液内科専門医または血液疾患に精通した医師
- 正確な血液検査データの入力が必要
- 輸血歴の正確な把握が重要
制限事項
- 血液検査データの正確性に依存
- 他の血液疾患との鑑別診断が前提
- 輸血歴や感染症の有無も治療選択に影響
- 重症度は固定的ではなく、経過中に変動する可能性がある
参考文献
- 再生不良性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版、令和5年(2023年)3月
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
- 山﨑宏人ほか:再生不良性貧血診療の参照ガイド -令和4年度改訂版のポイント-、臨床血液 64巻9号、892-899、2023