メニエール病重症度 (メニエール病重症度分類)
詳細情報
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基本情報
正式名称: メニエール病重症度分類
日本語名: メニエール病重症度分類
対象年齢: 全年齢(メニエール病診断患者)
評価目的: メニエール病重症度評価
実施時間: 5-10分
開発背景
開発者: 厚生労働省特定疾患前庭機能異常調査研究分科会
発行年: 1999年(2017年に日本めまい平衡医学会により改訂)
理論的基盤: メニエール病の病態進行度、平衡機能障害、聴覚機能障害の総合評価
著作権・使用条件
日本めまい平衡医学会編「メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版」(金原出版)に基づく。
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan (1999)
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項
厚生労働省を引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 3項目
- サブスケール数: 3つの評価軸
- 評価方式: 各項目0-4点の5段階評価
評価項目詳細
1. A: 平衡障害・日常生活の障害 - 5段階
- 正常(0点)
- 日常活動が時に制限される(可逆性の平衡障害)(1点)
- 日常活動がしばしば制限される(不可逆性の軽度平衡障害)(2点)
- 日常活動が常に制限される(不可逆性の高度平衡障害)(3点)
- 日常活動が常に制限され、暗所での起立や歩行が困難(不可逆性の両側性高度平衡障害)(4点)
2. B: 聴覚障害 - 5段階
- 正常(0点)
- 可逆的(低音部に限局した難聴)(1点)
- 不可逆的(高音部の不可逆性難聴)(2点)
- 中等度進行(中等度以上の不可逆性難聴)(3点)
- 両側性高度進行(不可逆性の両側性高度難聴)(4点)
3. C: 病態の進行度 - 5段階
- 生活指導のみで経過観察を行う(0点)
- 可逆性病変に対して保存的治療を必要とする(1点)
- 保存的治療によっても不可逆性病変が進行する(2点)
- 保存的治療に抵抗して不可逆性病変が高度に進行し、侵襲性のある治療を検討する(3点)
- 不可逆性病変が高度に進行して後遺症を認める(4点)
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 日本国内の多施設研究により確立された評価尺度
- 評定者間信頼性: 長期間にわたる臨床使用実績により信頼性が確認されている
妥当性
- 構成概念妥当性: メニエール病の病態進行と治療効果判定に有効性が確認されている
- 臨床的妥当性: 治療方針決定の指標として日本めまい平衡医学会により推奨されている
得点化・解釈
基本得点
各項目(A、B、C)をそれぞれ0-4点で評価し、3項目の組み合わせにより総合的重症度を判定する。
総合的重症度の分類
- Stage 1: 準正常期: A: 0点、B: 0点、C: 0点 - 症状はほぼ正常範囲
- Stage 2: 可逆期: A: 0-1点、B: 0-1点、C: 1点 - 可逆的な病変が主体
- Stage 3: 不可逆期: A: 1-2点、B: 1-2点、C: 2点 - 不可逆的な病変が出現
- Stage 4: 進行期: A: 2-3点、B: 2-3点、C: 3点 - 高度な不可逆性病変が進行
- Stage 5: 後遺症期: A: 4点、B: 4点、C: 4点 - 重篤な後遺症を伴う状態
実施上の注意点
対象者
- メニエール病と診断された患者
- 確実例、疑い例、非定型例のいずれにも適用可能
評価者
- 耳鼻咽喉科専門医による評価が推奨される
- 聴力検査、平衡機能検査の結果を総合して判定
制限事項
- 診断確定前の評価は慎重に行う
- 他の内耳疾患との鑑別診断が必要
参考文献
- 日本めまい平衡医学会編:メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版. 金原出版, 2020
- 厚生労働省特定疾患前庭機能異常調査研究分科会:メニエール病の重症度分類について. Equilibrium Res 1999; 58(1): 61-4