バージャー病重症度 (バージャー病重症度分類)
詳細情報
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基本情報
正式名称: バージャー病重症度分類
日本語名: バージャー病重症度分類
対象年齢: 制限なし(好発年齢: 20-40歳代)
評価目的: バージャー病重症度評価
実施時間: 約5-10分
開発背景
開発者: 厚生労働省(指定難病診断基準として制定)
発行年: 平成27年(2015年)1月1日施行、令和6年(2024年)4月1日改訂
理論的基盤: 虚血症状の程度による臨床的重症度分類
著作権・使用条件
厚生労働省による指定難病の診断基準として公開されているため、公的な分類基準
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項
厚生労働省を引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 15項目(症状評価13項目 + 自動計算2項目)
- サブスケール数: なし(単一スケール)
- 評価方式: 5段階重症度分類(1度-5度)
評価項目詳細
1. 基本症状 - 4項目
- 皮膚温の低下
- しびれ感
- 冷感
- 皮膚色調変化
2. 機能障害 - 3項目
- 間欠性跛行(なし|軽度|中等度|重度)
- 安静時疼痛(なし|軽度|中等度|強度|激痛)
- 指趾の色調変化
3. 組織障害 - 2項目
- 潰瘍の有無(なし|限局性小潰瘍|広範囲潰瘍)
- 壊死の有無(なし|限局性|広範囲)
4. 治療・生活影響 - 4項目
- 切断歴(なし|手・足関節より末梢側|手・足関節より中枢側1肢|手・足関節より中枢側2肢以上)
- 日常生活への影響(支障なし|許容範囲内|許容範囲超える|著しく支障|日常生活困難)
- 入院治療の必要性(不要|検討|必要)
- 間欠性跛行の部位(条件分岐項目)
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 公表データなし
- テスト再テスト信頼性: 公表データなし
- 評定者間信頼性: 臨床使用における一致性は高い
妥当性
- 感度: 公表データなし
- 特異度: 公表データなし
- 臨床的妥当性: 厚生労働省指定難病の診断基準として使用されており確立
得点化・解釈
基本得点
症状の組み合わせと切断歴により1度から5度までの重症度を判定
重症度分類の詳細
- 1度: 患肢皮膚温の低下、しびれ、冷感、皮膚色調変化を呈するが、日常生活に支障のないもの
- 2度: 上記症状と間欠性跛行を有し、薬物療法などにより日常生活上の障害が許容範囲内にあるもの
- 3度: 指趾の色調変化と限局性の小潰瘍や壊死または重度の間欠性跛行を伴う。あるいは1肢以上の手・足関節より末梢側における欠損で日常生活に支障がある患者
- 4度: 指趾の潰瘍形成により疼痛(安静時疼痛)が強く、日常生活に著しく支障。あるいは、1肢以上の手・足関節より中枢側における切断で日常生活に支障がある患者
- 5度: 激しい安静時疼痛とともに、壊死、潰瘍が増悪し、入院加療を必要とするもの。あるいは、2肢以上の手・足関節より中枢側における切断で日常生活に著しい支障がある患者
重要な注意点
- 3度以上が医療費助成制度の対象
- 令和6年版で切断歴による判定基準が追加された
- 間欠性跛行の「重度」は3度判定の重要な基準
実施上の注意点
対象者
- バージャー病と診断された患者
- 閉塞性血栓血管炎の疑いがある患者
評価者
- 血管外科医師
- バージャー病の診療経験を有する医師
- 適切な研修を受けた医療従事者
制限事項
- 3度以上が医療費助成制度の対象
- 女性や非喫煙者では他疾患との鑑別をより厳密に行う必要
- 糖尿病等の動脈硬化危険因子を有する患者では慎重な判定が必要
- 治療開始後は直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断
参考文献
- 厚生労働省: バージャー病(指定難病47)概要・診断基準等 令和6年4月版
- 厚生労働省: バージャー病(指定難病47)臨床調査個人票 令和6年4月版
- 日本循環器学会: 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン