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アレルギー性鼻炎重症度分類

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基本情報

正式名称: Clinical Assessment of Allergic Rhinitis

日本語名: アレルギー性鼻炎重症度分類

対象年齢: 全年齢

評価目的: アレルギー性鼻炎重症度分類

実施時間: 5-10分

開発背景

開発者: 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会

発行年: 1993年初版、2024年最新版

理論的基盤: 鼻アレルギー診療ガイドライン

著作権・使用条件

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会が発行する「鼻アレルギー診療ガイドライン」に基づく分類システム

パブリックドメイン
原開発者: ARIA (2008); Japanese adaptation
日本語版: Japanese guidelines for allergic rhinitis 2020
利用時の推奨事項 ガイドラインを引用。ライセンス不要

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 7項目(症状評価5項目 + 基本情報2項目)
  • サブスケール数: なし(単一評価システム)
  • 評価方式: 症状頻度による5段階評価

症状評価項目詳細

1. くしゃみ発作回数 - 5段階

  • 1日の連続するくしゃみ発作回数を評価
  • 0回から21回以上まで段階的評価

2. 鼻をかむ回数 - 5段階

  • 1日に鼻水のために鼻をかんだ回数
  • 鼻汁量の間接的評価指標

3. 鼻づまり程度 - 5段階

  • 口呼吸時間による鼻閉の程度評価
  • 1時間未満から完全閉塞まで

4. 日常生活支障度 - 4段階

  • 仕事、勉強、家事、睡眠への影響度
  • QOL評価の指標

5. 眼症状 - 4段階

  • 併発する結膜炎症状の評価
  • 全身性アレルギー反応の指標

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 日本の大規模疫学調査で検証済み
  • テスト再テスト信頼性: 花粉症シーズン中の安定性確認
  • 評定者間信頼性: 医師による評価の一致率が高い

妥当性

  • 基準関連妥当性: 治療効果判定との相関が高い
  • 構成概念妥当性: 因子分析で単一因子構造を確認
  • 臨床的妥当性: 治療方針決定に有用性が確認されている

得点化・解釈

基本得点

各症状項目を0-4点で評価し、最も高いスコアで重症度を決定

重症度分類の目安

  • 無症状: 最高スコア0点 - 症状なし
  • 軽症: 最高スコア1点 - 軽度の症状、日常生活への支障は軽微
  • 中等症: 最高スコア2点 - 中等度の症状、薬物療法を推奨
  • 重症: 最高スコア3点 - 高度の症状、積極的治療が必要
  • 最重症: 最高スコア4点 - 最高度の症状、専門的治療が必要

病型分類

  • くしゃみ・鼻汁型: くしゃみと鼻汁が鼻閉より優位
  • 鼻閉型: 鼻づまりが他症状より優位
  • 充全型: 各症状が同程度

実施上の注意点

対象者

  • アレルギー性鼻炎の疑いがある全年齢の患者
  • 通年性・季節性を問わず適用可能

評価者

  • 患者本人による自己評価が基本
  • 小児の場合は保護者による代理評価
  • 医師による問診での使用も可能

制限事項

  • 急性感染症との鑑別が必要
  • 薬物治療中の場合は治療前の状態で評価
  • 季節性の場合は症状のある時期での評価が重要

参考文献

  • 鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会編 金原出版 2024年3月
  • 鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症- 旧版