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mMRC (修正医学研究評議会息切れスケール)

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基本情報

正式名称: modified Medical Research Council Dyspnea Scale

日本語名: 修正医学研究評議会息切れスケール

対象年齢: 成人 (特に制限なし)

評価目的: 息切れ重症度評価

実施時間: 1-2 分

開発背景

開発者: Fletcher の息切れスケールを元に MRC が作成され、後に修正版として開発

発行年: 1988 年

理論的基盤: 日常活動レベルと呼吸困難の関連性

著作権・使用条件

原典論文: Evaluation of clinical methods for rating dyspnea, Chest. 1988 Mar;93(3):580-6. PMID: 3342669

パブリックドメイン
原開発者: Bestall (1999)
日本語版: Japanese respiratory guidelines
利用時の推奨事項 出典を引用

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 1 項目
  • サブスケール数: なし
  • 評価方式: 5 段階選択 (グレード 0-4)

評価項目詳細

グレード別分類

  • グレード 0: 激しい運動をした時のみ息切れがある
  • グレード 1: 平地を早足で歩く、または緩やかな上り坂を歩く時に息切れがある
  • グレード 2: 息切れのため同年代の人より歩くのが遅い、または平地を自分のペースで歩いていて息切れのため立ち止まる
  • グレード 3: 平地で約 100m 歩くか、または数分歩くと息切れのため立ち止まる
  • グレード 4: 息切れがひどく家から出られない、または衣服の着脱で息切れがする

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 単一項目のため該当なし
  • テスト再テスト信頼性: 良好 (0.8 以上)
  • 評定者間信頼性: 良好 (主観的評価だが基準が明確)

妥当性

  • 併存的妥当性: 他の呼吸困難評価尺度との良好な相関
  • 予測妥当性: COPD 患者の予後予測能力あり
  • 内容妥当性: 呼吸器専門医により妥当性確認済み

得点化・解釈

基本得点

選択したグレード番号 (0-4) がそのままスコアとなる

重症度の目安

  • 軽症: グレード 0-1 (日常生活にほとんど影響なし)
  • 中等症: グレード 2 (軽度の日常生活制限あり)
  • 重症: グレード 3-4 (明らかな日常生活制限あり)

実施上の注意点

対象者

  • 呼吸器疾患患者 (特に COPD)
  • 息切れを訴える患者全般
  • 認知機能が保たれている患者

評価者

  • 医師、看護師、その他医療従事者
  • 患者への適切な説明が必要
  • 各グレードの具体例を示すことが重要

制限事項

  • 主観的評価のため個人差あり
  • 文化的背景による解釈の違いに注意
  • 急性期の評価には適さない場合あり
  • 複数の修正版が存在するため使用版の明確化が必要

参考文献

  • Evaluation of clinical methods for rating dyspnea, Chest. 1988 Mar;93(3):580-6. PMID: 3342669
  • 宮本顕二. MRC 息切れスケールをめぐる混乱―いったいどの MRC 息切れスケールを使えばよいのか?―. 日本呼吸器学会誌, 2008, 46(8): 593-600