WHO-5 (WHO-5精神的健康状態表)
詳細情報
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基本情報
正式名称: WHO-5 Well-Being Index
日本語名: WHO-5精神的健康状態表
対象年齢: 特に制限なし(成人・高齢者での使用実績豊富)
評価目的: 主観的幸福感評価
実施時間: 約2-3分
開発背景
開発者: Per Bech(故人)およびデンマーク北ジーランド精神保健センター
発行年: 1990年代
理論的基盤: WHO欧州地域事務局の既存尺度・研究を基に開発
著作権・使用条件
- 著作権者: 世界保健機関(WHO)
- 元開発機関: デンマーク北ジーランド精神保健センター精神医学研究ユニット
- 著作権移管: 2024年にWHOに移管
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: WHO (1998)
日本語版: Japanese version (WHO-5-J) validated by Awata et al. (2007)
利用時の推奨事項
WHOから許諾を求める。アプリに表示を含める
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 5項目
- サブスケール数: なし(単一因子構造)
- 評価方式: 6段階評価(0-5点)
質問項目詳細
1. 気分の明るさ・楽しさ
- 明るく、楽しい気分で過ごした
2. リラクゼーション
- 落ち着いた、リラックスした気分で過ごした
3. 意欲・活動性
- 意欲的で、活動的に過ごした
4. 睡眠・覚醒
- ぐっすりと休め、気持ちよくめざめた
5. 興味・関心
- 日常生活の中に、興味のあることがたくさんあった
回答選択肢
各項目共通の6段階評価(評価期間: 過去2週間):
- いつも(5点)
- ほとんどいつも(4点)
- 半分以上の期間を(3点)
- 半分以下の期間を(2点)
- ほんのたまに(1点)
- まったくない(0点)
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: α=0.889(日本語版研究)
- テスト再テスト信頼性: 良好(詳細値は研究により異なる)
- 評定者間信頼性: 該当なし(自己記入式のため)
妥当性
- 感度: 研究により異なる
- 特異度: 研究により異なる
- その他: 1因子構造が確認済み、既存の精神的健康尺度との相関良好
得点化・解釈
基本得点
- 粗点: 各項目の得点を単純合計(0-25点)
- 百分率スコア: 粗点×4で算出(0-100点)
精神的健康状態の目安
- 要注意レベル: 粗点13点未満
- 極端な低値: 任意の項目で0点または1点の回答
- 良好レベル: 粗点13点以上
解釈指針
- 13点未満の場合、ICD-10に基づく大うつ病調査表の実施を推奨
- 任意の項目で0点または1点の回答がある場合も、詳細な評価を推奨
- 百分率スコアで10%以上の変化は有意な変化を示唆
実施上の注意点
対象者
- 過去2週間の状態を振り返って回答できる者
- 認知機能が保たれている者
評価者
- 特別な訓練は不要
- 医療従事者でなくても実施可能
制限事項
- スクリーニングツールであり、診断ツールではない
- 13点未満の場合は詳細な評価が必要
- 文化的背景による回答傾向の差に注意
参考文献
- 岩佐一他(2007)「日本語版「WHO-5精神的健康状態表」の信頼性ならびに妥当性-地域高齢者を対象とした検討-」厚生の指標, 第54巻第8号, pp.48-55
- 伊藤佳恵他(2013)「WHO-5精神健康状態表簡易版(S-WHO-5-J)の作成およびその信頼性・妥当性の検討」日本公衆衛生雑誌