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UC臨床重症度 (潰瘍性大腸炎臨床的重症度分類)

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基本情報

正式名称: 潰瘍性大腸炎臨床的重症度分類

日本語名: 潰瘍性大腸炎臨床的重症度分類

対象年齢: 全年齢

評価目的: 潰瘍性大腸炎臨床評価

実施時間: 5-10分

開発背景

開発者: 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」研究班

発行年: 継続改訂(最新版:2025年3月)

理論的基盤: 厚生労働省指定難病診断基準

著作権・使用条件

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)

パブリックドメイン
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項 厚生労働省を引用

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 6項目
  • サブスケール数: なし(単一構造)
  • 評価方式: 各項目2-4段階評価による総合判定

評価項目詳細

1. 排便回数(1日あたり)

  • 4回以下
  • 5回
  • 6回以上

2. 顕血便

  • 血便なし
  • 排便の半数以下でわずかに血液が付着
  • ほとんどの排便時に明らかな血液の混入
  • 大部分が血液

3. 発熱

  • 37.5℃未満
  • 37.5℃以上

4. 頻脈

  • 90/分未満
  • 90/分以上

5. 貧血(ヘモグロビン値)

  • 10g/dL超
  • 10g/dL以下

6. 炎症反応

  • 正常
  • 赤沈30mm/h以上またはCRP3.0mg/dL以上

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 各項目は独立した臨床指標として確立
  • 評定者間信頼性: 客観的指標により高い信頼性を確保

妥当性

  • 基準関連妥当性: 内視鏡所見、組織学的所見との高い相関
  • 構成概念妥当性: 炎症性腸疾患の病態を適切に反映
  • 臨床的妥当性: 治療方針決定や予後予測に有用

得点化・解釈

基本判定

各項目の該当状況により以下の3段階に分類

重症度の判定基準

  • 軽症: 6項目すべてを軽症基準で満たすもの
  • 重症: 排便回数6回以上かつ顕血便著明かつ(発熱または頻脈)かつ6項目中4項目以上該当
  • 中等症: 軽症と重症の中間にあたるもの

劇症の判定基準

重症に加えて以下5項目すべてを満たすもの:

  1. 重症基準を満たしている
  2. 15回/日以上の血性下痢が続いている
  3. 38℃以上の持続する高熱がある
  4. 10,000/mm³以上の白血球増多がある
  5. 強い腹痛がある

実施上の注意点

対象者

  • 潰瘍性大腸炎の確定診断を受けた患者
  • 治療効果判定時の評価

評価者

  • 消化器内科医師または専門医
  • 炎症性腸疾患に関する十分な知識を有する医師

制限事項

  • 他の消化器疾患との鑑別診断には使用しない
  • 単独での診断確定には使用しない
  • 感染性腸炎などの合併症の除外が必要

参考文献

  • 潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針(2025年3月改訂)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)令和6年度分担研究報告書