CliniScale 臨床評価スケール情報
STOP-BANG (STOP-BANG質問票)
詳細情報
このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。
正確な情報については、必ず原典を参照してください。
業務でのご利用には、個人情報・個人データを侵害しないウェブ問診システムの
セキュア問診票
をご利用ください。
患者さんの個人データに、運営会社や第三者はアクセス不可能である、という点が最大の特徴です。
個人データの流出や営利目的の転用は絶対にありません！
基本情報
正式名称: STOP-BANG Questionnaire
日本語名: STOP-BANG質問票
対象年齢: 18歳以上
評価目的: 睡眠時無呼吸スクリーニング
実施時間: 1-2分
開発背景
開発者: Frances Chung博士、トロント大学
発行年: 2008年
理論的基盤: 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の主要リスクファクター
著作権・使用条件
STOP-BANG質問票はUniversity Health Network (UHN)が所有（Property of University Health Network）
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Chung (2008)
日本語版: Japanese version validated
利用時の推奨事項
許諾取得。検証済み日本語版を使用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 8項目
- サブスケール数: 2つのセクション（STOP：症状4項目、BANG：身体的特徴4項目）
- 評価方式: 二択（はい/いいえ）、各項目1点
STOPセクション - 4項目
- S（Snoring）: いびき - 大きないびきをかくか
- T（Tired）: 疲労 - 日中の疲労感・眠気
- O（Observed）: 無呼吸の目撃 - 第三者による呼吸停止の観察
- P（Pressure）: 血圧 - 高血圧の有無・治療状況
BANGセクション - 4項目
- B（BMI）: BMI 35kg/m²以上
- A（Age）: 年齢50歳以上
- N（Neck）: 首周囲径の基準
- G（Gender）: 性別 男性
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 検証済み（複数の研究で確認）
- 再現性: 良好
妥当性
- 感度: 中等度-重症OSA（AHI≥15）に対して93%（スコア≥3）、重症OSA（AHI≥30）に対して100%（スコア≥3）
- 特異度: 約43%（集団により変動）
- 負の予測値: 中等度-重症OSA 90%、重症OSA 100%
得点化・解釈
基本得点
各項目「はい」で1点、合計0-8点
リスク分類の目安
- 低リスク: 0-2点
- 中等度-重症OSAの可能性18%
- 重症OSAの可能性4%
- 中等度リスク: 3-4点
- 追加判定基準が必要
- 高リスク: 5-8点
- 中等度-重症OSAの可能性60%
- 重症OSAの可能性38%
拡張判定基準（原典版）
スコア3-4点の場合、以下の条件で高リスクと判定：
- STOP項目2つ以上 + BMI>35kg/m²
- STOP項目2つ以上 + 首周囲径（男性≥43cm、女性≥41cm）
- STOP項目2つ以上 + 男性
実施上の注意点
対象者
- 18歳以上の成人
- 睡眠時無呼吸症候群が疑われる患者
- 手術予定患者（麻酔リスク評価）
評価者
- 医師、看護師等の医療従事者
- 患者の自己記入も可能
制限事項
- スクリーニング用であり、確定診断には睡眠検査（ポリソムノグラフィー）が必要
- アジア人集団では偽陽性率がやや高い傾向
- 高齢女性や低BMIのアジア人では感度がやや低下する可能性
- 女性では自動的に1点低くなるため、より低い閾値での評価が必要な場合がある
参考文献
- Chung F, Yegneswaran B, Liao P, et al. STOP questionnaire: a tool to screen patients for obstructive sleep apnea. Anesthesiology. 2008;108(5):812-21. PMID: 18431116
- Chung F, Abdullah HR, Liao P. STOP-Bang Questionnaire: A Practical Approach to Screen for Obstructive Sleep Apnea. Chest. 2016;149(3):631-8. PMID: 26378880
- Chung F, Subramanyam R, Liao P, et al. High STOP-Bang score indicates a high probability of obstructive sleep apnoea. Br J Anaesth. 2012;108(5):768-75. PMID: 22401881