SJS-TEN重症度 (スティーヴンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死症重症度分類)
詳細情報
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基本情報
正式名称: スティーヴンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症重症度分類
日本語名: スティーヴンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死症重症度分類
対象年齢: 全年齢
評価目的: SJS/TEN重症度評価
実施時間: 5-10分
開発背景
開発者: 厚生労働省難病対策課
発行年: 2018年4月改定
理論的基盤: 指定難病診断基準
著作権・使用条件
厚生労働省および難病情報センターの公開資料に基づく
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 11項目
- 評価カテゴリ数: 6カテゴリ
- 評価方式: 各項目0-3点の加算式
カテゴリ詳細
1. 粘膜疹 - 9項目
眼病変(5項目)
- 結膜充血(0-1点)
- 偽膜形成(0-1点)
- 眼表面の上皮欠損(びらん)(0-1点)
- 視力障害(0-1点)- 慢性期後遺症のみ評価
- ドライアイ(0-1点)- 慢性期後遺症のみ評価
口唇・口腔内病変(3項目)
- 口腔内広範囲に血痂、出血を伴うびらん(0-1点)
- 口唇の血痂、出血を伴うびらん(0-1点)
- 広範囲に血痂、出血を伴わないびらん(0-1点)
陰部(1項目)
- 陰部びらん(0-1点)
2. 皮膚の水疱・びらん - 1項目
体表面積に対する剥離面積の割合:
- 10%未満: 1点
- 10%以上30%未満: 2点
- 30%以上: 3点
注: 外力を加えると表皮が容易に剥離すると思われる部位も含む
3. 38℃以上の発熱 - 1項目
あり/なし(0-1点)
4. 呼吸器障害 - 1項目
SJS/TENに起因する呼吸器症状の有無(0-1点)
5. 表皮の全層性壊死性変化 - 1項目
病理組織学的所見(0-1点)
6. 肝機能障害 - 1項目
ALT>100 IU/Lの有無(0-1点)
信頼性・妥当性
信頼性
- 評定者間信頼性: 診断基準として標準化
妥当性
- 基準関連妥当性: 医療費助成対象判定との関連で検証
- 構成概念妥当性: 臨床経過との関連で確認
得点化・解釈
基本得点
各項目の得点を単純加算
重症度の目安
- 軽症: 2点未満
- 中等症: 2点以上6点未満(医療費助成対象)
- 重症: 6点以上(医療費助成対象)
特別重症判定基準
以下の場合はスコアによらず重症と判定:
- 眼表面(角膜・結膜)の上皮欠損あるいは偽膜形成が高度なもの
- SJS/TENに起因する呼吸器障害がみられるもの
- びまん性紅斑進展型TEN
注: 実際のJSON実装では「高度」の定義が困難なため、眼表面上皮欠損または偽膜形成の「あり」で判定
実施上の注意点
対象者
- SJS/TENの診断が確定した患者
- 急性期および慢性期の評価に使用
評価者
- 皮膚科専門医による評価が推奨
- 眼科、呼吸器科等との連携が必要
制限事項
- 視力障害、ドライアイは慢性期後遺症のみ評価 - 急性期所見としては選択しない
- 皮膚剥離面積の評価には、外力で剥離すると思われる部位も含める
参考文献
- 厚生労働省(2018年4月)スティーヴンス・ジョンソン症候群診断基準
- 日本皮膚科学会(2016年)重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症 診療ガイドライン