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SDQ (子どもの強さと困難さアンケート)

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基本情報

正式名称: Strengths and Difficulties Questionnaire

日本語名: 子どもの強さと困難さアンケート

対象年齢: 2-17 歳

評価目的: 小児行動・情緒評価

実施時間: 5-10 分

開発背景

開発者: Robert Goodman

発行年: 1997 年

理論的基盤: 子どものメンタルヘルス全般をカバーするスクリーニング尺度

著作権・使用条件

  • 著作者: Robert Goodman (1997)
  • 版権: 公開尺度として無料で利用可能
情報なし
原開発者: Robert Goodman (1997)
日本語版: Japanese version validated by Matsuishi et al. (2008)
利用時の推奨事項 著作権を含める。非営利なら無料

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 25 項目
  • サブスケール数: 5
  • 評価方式: 3 件法(あてはまらない=0 点、まああてはまる=1 点、あてはまる=2 点)

サブスケール詳細

1. 情緒の問題 - 5 項目

  • 項目番号: 3, 8, 13, 16, 24
  • 身体症状、不安、抑うつ、恐怖などを評価

2. 行為の問題 - 5 項目

  • 項目番号: 5, 7(逆転), 12, 18, 22
  • かんしゃく、反抗、攻撃行動などを評価

3. 多動・不注意 - 5 項目

  • 項目番号: 2, 10, 15, 21(逆転), 25(逆転)
  • 落ち着きのなさ、注意集中困難などを評価

4. 仲間関係の問題 - 5 項目

  • 項目番号: 6, 11(逆転), 14(逆転), 19, 23
  • 孤立、いじめられ、仲間関係困難などを評価

5. 向社会的行動 - 5 項目

  • 項目番号: 1, 4, 9, 17, 20
  • 思いやり、協力、援助行動などの強みを評価

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: クロンバック α=0.73(英語版)
  • テスト再テスト信頼性: r=0.62(英語版)
  • 評定者間信頼性: 該当なし(評価者により異なる)

妥当性

  • 感度: 約 70%(臨床群の検出)
  • 特異度: 約 85%(非臨床群の識別)
  • その他: 因子分析により 5 因子構造が確認されている

得点化・解釈

基本得点

  • 各サブスケール: 0-10 点
  • 総合困難さ得点: 0-40 点(情緒+行為+多動+仲間関係)
  • 向社会性得点: 0-10 点(単独で評価)

解釈指針の目安

  • カットオフ値: 日本版では開発者との協議により、現時点でカットオフ値の設定は推奨されていません
  • 解釈方法: 年齢・性別別の平均値およびパーセンタイル値を参考にした総合的判断
  • 標準値: 男女別、年齢帯別の詳細な標準値が公開されています

実施上の注意点

対象者

  • 2-17 歳の子どもについて評価
  • 発達障害や精神的問題の有無は問わない

評価者

  • 保護者版、教師版、自己記入版(11 歳以上)がある
  • 複数の評価者から情報収集することが推奨される

制限事項

  • スクリーニング目的であり診断確定には不十分
  • 文化的背景を考慮した解釈が必要
  • 個別ケースでは可能な限り親、教師、本人からの情報を総合的に判断することが重要

参考文献

  • Goodman, R. (1997). The Strengths and Difficulties Questionnaire: a research note. J Child Psychol Psychiatry, 38(5), 581-6. PMID: 9255702
  • Moriwaki A, Kamio Y (2014). Normative data and psychometric properties of the Strengths and Difficulties Questionnaire among Japanese school-aged children. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health, 8:1
  • 飯田悠佳子, 森脇愛子, 小松佐穂子, 神尾陽子 (2014). わが国の就学前幼児における保護者及び担任評定にもとづく SDQ の標準化