CliniScale 臨床評価スケール情報
PNH重症度 (発作性夜間ヘモグロビン尿症重症度分類)
詳細情報
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基本情報
正式名称: 発作性夜間ヘモグロビン尿症重症度分類
日本語名: 発作性夜間ヘモグロビン尿症重症度分類
対象年齢: 制限なし
評価目的: PNH重症度評価
実施時間: 約 10 分
開発背景
開発者: 厚生労働科学研究「特発性造血障害に関する調査研究班」
発行年: 令和 4 年度（2023 年）改訂版
理論的基盤: 溶血所見に基づく重症度分類
著作権・使用条件
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究班
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan
日本語版: Japanese original
利用時の推奨事項
厚生労働省を引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 10 項目（基本情報 2 項目、溶血評価 4 項目、合併症評価 4 項目）
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 溶血の程度と合併症による総合判定
評価項目詳細
溶血の評価 - 4 項目
- 血清 LDH 値による溶血程度の評価
- 溶血発作の頻度評価
- 肉眼的ヘモグロビン尿の状況
- 輸血必要性の評価
合併症の評価 - 4 項目
- 血栓症またはその既往
- 妊娠の有無（リスク因子として評価）
- 透析が必要な腎障害
- 平滑筋調節障害による症状
- 肺高血圧症
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 臨床的妥当性が確認されている
- テスト再テスト信頼性: 報告なし
- 評定者間信頼性: 報告なし
妥当性
- 臨床的妥当性: 国際的な PNH 診療ガイドラインと整合性がある
- 基準関連妥当性: 治療方針決定との関連で妥当性が示されている
得点化・解釈
重症度分類の判定
- 軽症: 中等症、重症に該当しないもの
- 中等症: 中等度溶血（LDH 正常上限 3-5 倍程度）または時に溶血発作を認める（年に 1-2 回程度）
- 重症: 高度溶血（LDH 正常上限 8-10 倍程度）、恒常的ヘモグロビン尿、頻回溶血発作、定期的輸血必要（毎月 2 単位以上）、または重篤な合併症（血栓症、妊娠、透析必要腎障害、重度平滑筋障害、肺高血圧症）
重症度判定の目安
- 軽症: 特別な治療は不要、経過観察
- 中等症: 抗補体療法を検討、難病医療費助成対象
- 重症: 積極的治療が必要、難病医療費助成対象
実施上の注意点
対象者
- PNH の確定診断を受けた患者
- フローサイトメトリーで PNH タイプ血球 1%以上かつ血清 LDH 値正常上限 1.5 倍以上
評価者
- 血液内科専門医による評価が推奨される
- PNH の病態を理解した医療従事者
制限事項
- 治療開始後は直近 6 か月間で最も悪い状態で判定する
- エクリズマブ等の補体阻害薬使用中は評価に注意が必要
- LDH 正常上限値は施設によって異なる（一般的に 120-240 U/L 程度）
参考文献
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和 4 年度改訂版, 2023 年 3 月