CliniScale 臨床評価スケール情報
PFDI-20 (骨盤底機能障害苦痛評価質問票短縮版)
詳細情報
基本情報
正式名称: Pelvic Floor Distress Inventory - Short Form 20
日本語名: 骨盤底機能障害苦痛評価質問票短縮版
対象年齢: 成人女性
評価目的: 骨盤底機能障害の苦痛評価 (0-300点)
実施時間: 5-10 分
開発背景
開発者: Matthew D. Barber ら
発行年: 2005 年
理論的基盤: PFDI-93 の短縮版、骨盤底障害症状の多面的評価
著作権・使用条件
公的ドメイン
情報なし
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Jennifer M. Wu et al., University of Michigan (2003, 2005)
日本語版: Japanese version validated
利用時の推奨事項
原著論文を引用。研究グループが公開している質問票のため自由に使用可能
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 20 項目
- サブスケール数: 3
- 評価方式: 0-300 点スケール
サブスケール詳細
1. POPDI-6 (骨盤臓器脱症状) - 6 項目、0-100 点
- 下腹部圧迫感、重い感じ
- 膣からの脱出感
- 排尿・排便困難
- 膀胱・腸の空虚感不良
2. CRADI-8 (大腸・肛門症状) - 8 項目、0-100 点
- 便失禁 (固形便、液状便)
- ガス漏れ
- 排便時痛
- いきみ困難
- 残便感
- 下着汚染
3. UDI-6 (尿路症状) - 6 項目、0-100 点
- 頻尿
- 腹圧性尿失禁
- 尿漏れ (パッド必要)
- 排尿開始困難
- 排尿時痛
- 切迫性尿失禁
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: α=0.8 程度
- テスト再テスト信頼性: 高い (ICC 0.70-0.93)
- 評定者間信頼性: 該当なし (自己記入式)
妥当性
- 感度: 高い (ES 0.70-1.28)
- 特異度: 高い
- その他: 骨盤底障害評価の国際標準、800 以上の引用文献
得点化・解釈
基本得点
- 各サブスケール: (項目平均値) × 25 = 0-100 点
- 総合スコア: 3 つのサブスケール合計 = 0-300 点
スコア解釈
- 高得点ほど苦痛が大きい
- MCID (臨床的意義ある変化): 23-53 点
症状別評価
- 各サブスケールで症状領域別の重症度評価可能
実施上の注意点
対象者
- 骨盤底機能障害 (POP、UI、FI) を有する女性
- 術前術後評価
評価者
- 患者自己記入
- 婦人科医・泌尿器科医による評価
制限事項
- 症状ベース (客観的所見とは相関低い)
- 過去 3 か月の症状について回答
- 2 項目まで欠損許容
参考文献
- Barber MD, Walters MD, Bump RC. Short forms of two condition-specific quality-of-life questionnaires for women with pelvic floor disorders (PFDI-20 and PFIQ-7). Am J Obstet Gynecol. 2005;193(1):103-13.