NRS (疼痛数値評価スケール)
詳細情報
基本情報
正式名称: Numerical Rating Scale
日本語名: 疼痛数値評価スケール
対象年齢: 数値概念を理解できる年齢以上(一般的に 8 歳以上)
評価目的: 疼痛数値評価 (0-10)
実施時間: 1-2 分
開発背景
開発者: 複数の研究者により発展
発行年: 1980 年代
理論的基盤: 心理学的疼痛評価理論
著作権・使用条件
一般的な疼痛評価スケールとして広く使用されており、特定の著作権制限はない。
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Downie (1978)
日本語版: Widely available in Japanese
利用時の推奨事項
出典を引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 基本的に 1 項目(痛みの数値評価)
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 0-10 の 11 段階数値評価
疼痛評価項目詳細
数値評価
- 0: 痛みなし
- 1-3: 軽度の痛み
- 4-6: 中等度の痛み
- 7-10: 強い痛み
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 単一項目のため該当なし
- テスト再テスト信頼性: r=0.91(Lundeberg et al., 2001)、r=0.82(Bergh et al., 2000)
- 評定者間信頼性: 患者の自己評価のため該当なし
妥当性
- 感度: VAS、VRS との高い相関(r>0.90)
- 特異度: 治療効果の検出に優れる
- その他: 臨床的に意味のある変化は 2 ポイント以上または 33%減少
得点化・解釈
基本得点
患者が示した数値をそのまま記録(0-10 の範囲で評価)
重症度分類の目安
- 軽度: 1-3
- 中等度: 4-6
- 重度: 7-10
実施上の注意点
対象者
- 数値概念を理解できる患者
- 認知機能が保たれている患者
- 言語的コミュニケーションが可能な患者
評価者
- 特別な医学知識は不要
- 一貫した質問方法の使用が重要
- 安静時と体動時の両方を評価することが推奨
制限事項
- 乳幼児や重度認知症患者には使用困難
- 数値に対する個人的好みが影響する可能性
- 痛みの質的側面は評価できない
参考文献
- Jensen, M. P., & McFarland, C. A. (1993). Increasing the reliability and validity of pain intensity measurement in chronic pain patients. Pain, 55(2), 195-203.
- がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020 年版 日本緩和医療学会