CliniScale 臨床評価スケール情報
Lugano-Lymphoma (Lugano 分類)
詳細情報
基本情報
正式名称: Lugano Criteria for Lymphoma
日本語名: Lugano 分類
対象年齢: 全年齢
評価目的: リンパ腫の病期分類と反応評価
実施時間: 臨床評価と画像評価に基づく
開発背景
開発者: International Lymphoma Radiation Oncology Group and European Organisation for Research and Treatment of Cancer
発行年: 2014 年
理論的基盤: Ann Arbor 分類の更新版、PET/CT を統合して精度向上
著作権・使用条件
公的ドメイン
情報なし
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Bruce D. Cheson et al., 12th International Conference on Malignant Lymphoma, Lugano (2014)
日本語版: Adopted by Japanese Society of Hematology
利用時の推奨事項
原著論文（JCO 2014）を引用。国際会議で策定された基準のため自由に使用可能
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 評価項目なし（分類システム）
- サブスケール数: 2 つの主要評価軸（病期分類、治療反応評価）
- 評価方式: 病期分類（I-IV 期）と治療反応評価（CR/PR/SD/PD）
- カテゴリ: 血液内科、腫瘍内科
- 使用状況: 1,000 件以上の論文で引用、リンパ腫の病期分類と反応評価の国際標準
病期分類（Staging）詳細
1. 病期定義 - 4 段階
- I 期: 単一リンパ節領域または単一節外臓器
- II 期: 横隔膜の同側で 2 つ以上のリンパ節領域
- III 期: 横隔膜の両側にリンパ節病変
- IV 期: 1 つ以上の節外臓器への広範な浸潤
2. サフィックス
- A: B 症状なし
- B: B 症状あり
- 原因不明の発熱（38 度以上）
- 盗汗（寝汗）
- 6 ヶ月以内に 10%以上の体重減少
- E: 隣接する節外臓器への直接浸潤
- 巨大腫瘤: 10cm 以上または縦隔の 1/3 以上
治療反応評価（Response Assessment）詳細
1. PET/CT ベース評価（Deauville スコア統合）
- Deauville 1-3: 代謝活性が低い、治療反応良好
- Deauville 4-5: 代謝活性が高い、治療反応不良
2. 反応カテゴリ - 4 分類
-
CR（Complete Response: 完全奏効）
- すべての病変の消失
- PET 陰性（Deauville 1-3）
-
PR（Partial Response: 部分奏効）
- 標的病変の 50%以上の縮小
- PET 陰性（Deauville 1-3）
-
SD（Stable Disease: 安定）
- PR/PD に該当しない
-
PD（Progressive Disease: 進行）
- 病変の 25%以上の増大
- 新規病変の出現
- PET 陽性（Deauville 4-5）
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 該当なし（分類システム）
- テスト再テスト信頼性: 高
- 評定者間信頼性: 高
妥当性
- 感度: 高
- 特異度: 高
- その他: リンパ腫評価の国際標準として確立
得点化・解釈
基本得点
病期分類と治療反応の定性的評価
病期の目安
- 限局期（I-II 期）: 比較的良好な予後
- 進行期（III-IV 期）: 不良な予後
- B 症状あり: 予後不良因子
治療反応の目安
- CR（完全奏効）: 優れた治療反応
- PR（部分奏効）: 良好な治療反応
- SD（安定）: 安定
- PD（進行）: 治療変更を検討
実施上の注意点
対象者
- ホジキンリンパ腫患者
- 非ホジキンリンパ腫患者
評価者
- 血液内科医
- 腫瘍内科医
- PET/CT 評価に精通した放射線科医との連携が推奨される
制限事項
- PET/CT の利用が推奨される
- 施設によっては PET/CT 利用が制限される場合がある
- 造影 CT のみでの評価も可能だが精度は低下する
参考文献
- Cheson BD, Fisher RI, Barrington SF, et al. Recommendations for initial evaluation, staging, and response assessment of Hodgkin and non-Hodgkin lymphoma: the Lugano classification. J Clin Oncol. 2014;32(27):3059-68.