Light基準 (Light 基準)
詳細情報
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基本情報
正式名称: Light's Criteria
日本語名: Light 基準
対象年齢: 制限なし (胸水のある患者)
評価目的: 胸水性状判定
実施時間: 5 分 (検査値入力)
開発背景
開発者: Richard W. Light, MD
発行年: 1972 年
理論的基盤: 胸水と血清の蛋白質・LDH 比較による病態鑑別
著作権・使用条件
Light 基準は 1972 年に Richard W. Light 医師により発表された医学的診断基準で、広く臨床で使用されている。
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Light RW (1972)
日本語版: Japanese pulmonology use
利用時の推奨事項
自由に使用。引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 3 基準
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 3 基準中 1 つ以上該当で滲出性胸水
判定基準詳細
基準 1: 胸水総タンパク/血清総タンパク > 0.5
- 胸水中の蛋白質濃度と血清中の蛋白質濃度の比
基準 2: 胸水 LDH/血清 LDH > 0.6
- 胸水中の LDH 値と血清中の LDH 値の比
基準 3: 胸水 LDH > 血清 LDH 正常値上限の 2/3
- 胸水 LDH 値が血清 LDH 正常値上限の 2/3 (約 160 IU/L) を超える
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 報告なし (診断基準のため)
- テスト再テスト信頼性: 検査値に依存
- 評定者間信頼性: 客観的基準のため高い
妥当性
- 感度: 98%
- 特異度: 83%
- その他: 滲出性胸水の検出に優れるが、心不全での偽陽性に注意
得点化・解釈
基本得点
- 3 基準中該当する数 (0-3)
- 1 つ以上該当: 滲出性胸水
- いずれも該当しない: 漏出性胸水
分類の目安
- 滲出性胸水: 肺炎、肺がん、胸膜炎、結核などの胸膜炎症性疾患
- 漏出性胸水: 心不全、肝硬変、腎不全などの全身性疾患
実施上の注意点
対象者
- 胸水貯留が認められる患者
- 年齢制限なし
評価者
- 血清・胸水の生化学検査値が必要
- 医師による臨床的解釈が重要
制限事項
- 心不全で利尿薬使用中は偽陽性 (滲出性判定) の可能性
- 補助的基準 (コレステロール、アルブミン等) の併用推奨
- 検査値の精度に依存
参考文献
- Light RW, Macgregor MI, Luchsinger PC, Ball WC Jr. Pleural effusions: the diagnostic separation of transudates and exudates. Ann Intern Med. 1972;77(4):507-13.
- Light RW. Clinical practice. Pleural effusion. N Engl J Med. 2002;346(25):1971-7.