臨床評価スケール ClinicalScale  CliniScale 臨床評価スケール情報

CliniScale で入力

Katz (カッツインデックス)

詳細情報

このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。

正確な情報については、必ず原典を参照してください。

業務でのご利用には、個人情報・個人データを侵害しないウェブ問診システムの セキュア問診票 をご利用ください。
患者さんの個人データに、運営会社や第三者はアクセス不可能である、という点が最大の特徴です。
個人データの流出や営利目的の転用は絶対にありません!

基本情報

正式名称: Katz Index of ADL

日本語名: カッツインデックス

対象年齢: 主に高齢者、慢性疾患患者

評価目的: 基本的ADL評価

実施時間: 約 5-10 分

開発背景

開発者: Sidney Katz とベンジャミン・ローズ病院スタッフ

発行年: 1963 年

理論的基盤: 高齢期患者の ADL 機能衰退における一定順序性の仮説

著作権・使用条件

原典論文: Katz S, et al. Studies of illness in the aged: The index of ADL - A standardized measure of biological and psychosocial function. JAMA. 1963;185:914-919.

パブリックドメイン
原開発者: Sidney Katz et al. (1963)
日本語版: Japanese version validated; used in ADL assessment
利用時の推奨事項 原著を明記。ライセンス不要

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 6 項目
  • サブスケール数: なし (単一構造)
  • 評価方式: 2 段階評価 (自立/介助)

ADL項目詳細

1. 入浴 - 浴槽出入りと身体清拭

  • 浴槽への出入り
  • 身体を洗う動作
  • スポンジ、シャワー、浴槽使用

2. 更衣 - 衣類の着脱

  • たんすや引き出しから衣類を取り出す
  • 下着・上着の着脱
  • ファスナー操作、装具装着

3. トイレに行く - 排泄関連動作

  • トイレへの移動
  • 排泄後の後始末
  • 下着を整える動作

4. 移乗 - ベッド・椅子への移動

  • ベッドから椅子への移動
  • 椅子からベッドへの移動
  • 杖・ウォーカー使用可

5. 尿便失禁制御 - 排泄制御

  • 排尿の制御
  • 排便の制御
  • 失禁の有無

6. 食事 - 摂食動作

  • 皿から口への食べ物運搬
  • 基本的な摂食動作

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 報告されている (具体的数値は文献により異なる)
  • テスト再テスト信頼性: 良好とされる
  • 評定者間信頼性: 高い一致率

妥当性

  • 構成概念妥当性: ADL 機能衰退の順序性を実証
  • 基準関連妥当性: 他の ADL 評価法との相関良好
  • 予測妥当性: 予後予測に有用

得点化・解釈

基本得点

各項目を「自立」「介助」の 2 段階で評価し、自立項目数をカウント

Katz分類 (A-G階級)

  • A: 全 6 領域で自立
  • B: 5 領域で自立 (通常は入浴以外)
  • C: 4 領域で自立 (通常は入浴・更衣以外)
  • D: 3 領域で自立 (通常は入浴・更衣・トイレ以外)
  • E: 2 領域で自立 (通常は失禁制御・食事)
  • F: 1 領域で自立 (失禁制御または食事)
  • G: 全領域で介助が必要
  • O: その他 (典型的パターンに該当しない)

重症度分類

  • 軽度依存: 自立項目 5-6 個
  • 中等度依存: 自立項目 3-4 個
  • 重度依存: 自立項目 0-2 個

実施上の注意点

対象者

  • 高齢者
  • 慢性疾患患者
  • ADL 機能低下が疑われる患者

評価者

  • 医療従事者
  • 介護従事者
  • 訓練を受けた評価者

制限事項

  • 「している」ADL を評価 (「できる」ADL ではない)
  • 監視・指導が必要な場合は「介助」と判定
  • 動作拒否は「介助」扱い
  • 典型的パターンに該当しない場合の解釈困難

参考文献

  • Katz S, et al. Studies of illness in the aged: The index of ADL. JAMA. 1963;185:914-919.