KDIGO基準 (KDIGO 急性腎障害診療ガイドライン)
詳細情報
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基本情報
正式名称: KDIGO AKI Criteria
日本語名: KDIGO 急性腎障害診療ガイドライン
対象年齢: 全年齢 (成人・小児・新生児)
評価目的: 急性腎障害診断基準 (国際版)
実施時間: 5-10 分
開発背景
開発者: KDIGO 急性腎障害ワーキンググループ
発行年: 2012 年
理論的基盤: RIFLE 基準と AKIN 基準を統合した国際標準診断基準
著作権・使用条件
KDIGO (Kidney Disease: Improving Global Outcomes) 2012 年版ガイドライン
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Kidney Disease: Improving Global Outcomes (2012)
日本語版: Japanese guidelines adopt KDIGO; translated
利用時の推奨事項
KDIGOに許諾を求める。ガイドラインを引用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 診断基準 3 項目、病期分類 3 段階
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 血清クレアチニン値と尿量による客観的評価
AKI診断基準
以下のいずれかに該当する場合:
- 48 時間以内に血清クレアチニン値が 0.3mg/dL 以上上昇
- 血清クレアチニン値が 7 日以内の基礎値より 1.5 倍以上増加
- 尿量が 6 時間にわたって 0.5mL/kg/時未満に減少
病期分類詳細
Stage 1 (軽度)
- 血清クレアチニン: 基礎値の 1.5-1.9 倍 または 0.3mg/dL 以上増加
- 尿量: 6-12 時間で 0.5mL/kg/時未満
Stage 2 (中等度)
- 血清クレアチニン: 基礎値の 2.0-2.9 倍
- 尿量: 12 時間以上で 0.5mL/kg/時未満
Stage 3 (重度)
- 血清クレアチニン: 基礎値の 3 倍以上 または 4.0mg/dL 以上 または 腎代替療法開始
- 尿量: 24 時間以上で 0.3mL/kg/時未満 または 12 時間以上の無尿
- 18 歳未満: eGFR 35mL/min/1.73m² 未満への低下
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 客観的検査値に基づくため高い信頼性
- 評定者間信頼性: 標準化された基準により高い一致率
- 再現性: 国際的に標準化された測定方法
妥当性
- 予測妥当性: 死亡率・入院期間・透析必要性と強い相関
- 段階妥当性: Stage 1 から 3 へ進行するほど予後不良
- 国際的妥当性: 全世界で使用される標準基準
得点化・解釈
基本分類
血清クレアチニン値と尿量のうち、より重篤な分類を採用
重症度の目安
- AKI なし: 診断基準に該当せず、正常範囲
- Stage 1: 軽度 AKI、経過観察と原因検索が必要
- Stage 2: 中等度 AKI、積極的治療と専門医コンサルトを検討
- Stage 3: 重度 AKI、緊急治療と腎代替療法の検討が必要
実施上の注意点
対象者
- 急性腎障害が疑われる全ての患者
- 入院患者、ICU 患者、手術患者
- 腎毒性薬剤使用患者、造影剤使用患者
評価者
- 医師、看護師、臨床検査技師
- 腎機能評価の知識を有する医療従事者
- 重篤例では腎臓専門医の関与が推奨
制限事項
- 基礎血清クレアチニン値が不明な場合の評価困難
- 慢性腎臓病患者での解釈に注意が必要
- 尿量測定が困難な場合の限界
参考文献
- KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury. Kidney Int Suppl. 2012;2:1-138
- 急性腎障害のための KDIGO 診療ガイドライン 推奨条文サマリーの公式和訳