JESS (日本語版エプワース眠気尺度(JESS: Japanese version of ESS))
詳細情報
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基本情報
正式名称: Japanese version of the Epworth Sleepiness Scale
日本語名: 日本語版エプワース眠気尺度(JESS: Japanese version of ESS)
対象年齢: 成人
評価目的: 日中の過度の眠気評価、睡眠障害スクリーニング
実施時間: 2-3分
開発背景
開発者: Murray W. Johns(原版)、福原俊一・竹上未紗・鈴鴨よしみら(日本語版)
発行年: 1990年(原版)、2006年(JESS公式発表)、2009年(項目応答理論による検証論文)
理論的基盤: 8つの日常活動における眠気(うとうとする)の可能性を測定
著作権・使用条件
Copyright: Murray W. Johns and Shunichi Fukuhara. 2006
権利者: Johns M, Qualitest株式会社, 福原俊一
※営利・非営利を問わず使用には事前申請が必要
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 8項目
- サブスケール数: なし(単一次元、一次元性確認済み)
- 評価方式: 4段階(0-3点)リッカート尺度
8項目の内容
- すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など)
- すわってテレビを見ているとき
- 会議、映画館、劇場などで静かにすわっているとき
- 乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき
- 午後に横になって、休息をとっているとき
- すわって人と話をしているとき
- 昼食をとった後(飲酒なし)、静かにすわっているとき
- すわって手紙や書類などを書いているとき
質問文と選択肢
質問文: 「もし、以下の状況になったとしたら、どのくらいうとうとする(数秒~数分眠ってしまう)と思いますか。最近の日常生活を思いうかべてお答えください。」
選択肢:
- 0点: うとうとする可能性はほとんどない
- 1点: うとうとする可能性は少しある
- 2点: うとうとする可能性は半々くらい
- 3点: うとうとする可能性が高い
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 古典的テスト理論により検証済み、良好
- 項目応答理論による検証: 実施済み(Takegami et al. 2009)
- 一次元性: 確認済み
妥当性
- 内容的妥当性: 原作者との協議により測定概念を厳密に確認
- 基準値: 11点以上で睡眠時無呼吸症候群等の疑い
- 呼吸器学会暫定版との得点変換: アルゴリズム作成済み
得点化・解釈
基本得点
8項目の合計点(0-24点)
判定基準
- 11点以上: 睡眠時無呼吸症候群等の可能性が高い
- 10点以下: 可能性は低い
実施上の注意点
対象者
- 成人(睡眠障害患者、一般人両方に適用可能)
- 日中の眠気を訴える患者
評価者
- 自己記入式のため特別な訓練不要
制限事項
- 主観的評価のため過小評価の可能性
- 著作権保護により使用申請が必要
- 質問項目の改変不可
参考文献
- Johns MW. A new method for measuring daytime sleepiness: The Epworth sleepiness scale. Sleep. 1991;14:540-545
- 福原俊一, 竹上未紗, 鈴鴨よしみ, 陳和夫, 井上雄一, 角谷寛, 岡靖哲, 野口裕之, 脇田貴文, 並川努, 中村敬哉, 三嶋理晃, Murray W. Johns. 日本語版the Epworth Sleepiness Scale(JESS)~これまで使用されていた多くの「日本語版」との主な差異と改訂~. 日呼吸会誌. 2006;44:896-898
- Takegami M, Suzukamo Y, Wakita T, Noguchi H, Chin K, Kadotani H, Inoue Y, Oka Y, Nakamura T, Green J, Johns MW, Fukuhara S. Development of a Japanese version of the Epworth Sleepiness Scale (JESS) based on Item Response Theory. Sleep Medicine. 2009;10:556-565