Hoehn & Yahr (ホーン・ヤールの重症度分類、Hoehn-Yahrスケール)
詳細情報
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基本情報
正式名称: Hoehn & Yahr Scale
日本語名: ホーン・ヤールの重症度分類、Hoehn-Yahrスケール
対象年齢: 全年齢(パーキンソン病患者)
評価目的: パーキンソン病重症度分類
実施時間: 5-10分
開発背景
開発者: Margaret M. Hoehn、Melvin D. Yahr
発行年: 1967年
理論的基盤: パーキンソン病の症状進行パターンの観察研究
著作権・使用条件
Hoehn-Yahrスケールは1967年に発表された医学文献に基づく評価スケールで、学術・医療目的での使用が一般的に認められています。
パブリックドメイン
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Margaret Hoehn and Melvin Yahr (1967)
日本語版: Japanese version used; standard in Japan
利用時の推奨事項
原著を引用。許諾不要
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 1項目(重症度分類)
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 6段階分類(0-5度)
重症度分類詳細
0度: パーキンソニズムなし
- パーキンソン病の症状なし
1度: 片側性の疾患
- 体の片側のみに症状
- 日常生活への影響は軽微
2度: 両側性の疾患、姿勢反射障害なし
- 両側に症状あり
- バランス障害なし
- 日常生活にやや支障
3度: 軽度から中等度の両側性疾患
- 明らかな歩行障害
- 軽度の姿勢不安定性
- 身体的には自立
4度: 高度の能力障害
- 起立・歩行困難
- 生活に介助必要
- 介助なしでも歩行・起立は可能
5度: 車椅子またはベッド上生活
- 介助なしでは移動不可
- 最重度状態
信頼性・妥当性
信頼性
- 評定者間信頼性: 良好(κ=0.44-0.97)
- テスト再テスト信頼性: 良好
- 内的整合性: 単一項目のため該当なし
妥当性
- 構成概念妥当性: パーキンソン病進行度との強い相関
- 予測妥当性: 生活機能障害度、UPDRS-IIIとの相関
- 臨床的妥当性: 世界的に標準的使用
得点化・解釈
基本得点
- 0-5の整数値で評価
- 数値が高いほど重症度が高い
重症度の目安
- 0度: 症状なし
- 1度: 軽症(片側症状)
- 2度: 軽症から中等症(両側症状、バランス正常)
- 3度: 中等症(歩行・バランス障害)
- 4度: 重症(高度機能障害)
- 5度: 最重症(車椅子・ベッド依存)
実施上の注意点
対象者
- パーキンソン病診断確定患者
- 全ての重症度段階に適用可能
評価者
- 神経内科医または運動障害専門医による評価が望ましい
- パーキンソン病の症状評価に習熟した医療従事者
制限事項
- 薬物療法の効果が最も現れている時間帯(ON状態)での評価を基本とする
- 非運動症状は評価対象外
- 認知機能障害は直接評価されない
参考文献
- Hoehn MM, Yahr MD. Parkinsonism: onset, progression, and mortality. Neurology. 1967 May;17(5):427-442
- Goetz CG, et al. Movement Disorder Society Task Force report on the Hoehn and Yahr staging scale: status and recommendations. Mov Disord. 2004;19(9):1020-8