Greene (Greene更年期症状評価尺度)
詳細情報
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基本情報
正式名称: Greene Climacteric Scale
日本語名: Greene更年期症状評価尺度
対象年齢: 更年期前後の女性(通常40-65歳)
評価目的: 更年期症状評価
実施時間: 約5分
開発背景
開発者: J.G. Greene
発行年: 1976年(原版)、1998年(標準版)
理論的基盤: 因子分析に基づく症状クラスター化
著作権・使用条件
- 著作権者: J.G. Greene
- RWS Life Sciences社によりライセンス管理
- 学術研究用途は無料、製薬企業は患者1名につき10USD
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Greene (1976)
日本語版: Japanese version available
利用時の推奨事項
著者から許諾取得。検証済み日本語版を使用
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 20項目(性機能項目は参考評価として独立)
- 評価方式: 4段階リッカート尺度(0-3点)
- 回答形式: 全くない=0、少しある=1、かなりある=2、非常にある=3
心理症状 - 11項目(1-11項目)
不安症状サブスケール(1-6項目)
- 心拍
- 緊張
- 睡眠障害
- 興奮
- 不安・パニック
- 集中困難
抑うつ症状サブスケール(7-11項目)
- 疲労感
- 興味低下
- 抑うつ気分
- 涙もろさ
- 易怒性
身体症状 - 7項目(12-18項目)
- 頭部圧迫感
- 身体麻痺感
- 頭痛
- 筋肉・関節痛
- 手足のしびれ
- 呼吸困難
- めまい
血管運動症状 - 2項目(19-20項目)
- ほてり(ホットフラッシュ)
- 夜間発汗
性機能 - 1項目(21項目、参考評価)
- 性的興味の変化(独立したプローブ項目として評価)
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: α=0.73-0.90(サブスケール別)
- テスト再テスト信頼性: 良好(2週間間隔で0.83-0.87)
- 構造的妥当性: 確認的因子分析でCFI=0.937、RMSEA=0.050
妥当性
- 構成概念妥当性: 4因子構造が複数の国際研究で確認
- 基準関連妥当性: 他の更年期評価尺度との相関が良好
- カットオフ値: 12点以上で更年期症状の可能性が高い
得点化・解釈
基本得点
- 各項目0-3点で評価
- サブスケール別合計点を算出
- GCS標準得点 = 1-20項目の合計(0-60点)
- 性機能項目は参考値として独立評価
症状重症度の目安
- 正常-軽度: 0-11点
- 中等度以上: 12点以上(更年期症状の可能性が高い)
サブスケール評価
- 不安症状: 0-18点(臨床レベル: 10点以上)
- 抑うつ症状: 0-15点(臨床レベル: 10点以上)
- 身体症状: 0-21点
- 血管運動症状: 0-6点
- 性機能: 0-3点(参考値)
実施上の注意点
対象者
- 更年期前後の女性
- 妊娠中や授乳中は適用外
- 重篤な精神疾患や認知症がある場合は慎重に実施
評価者
- 医療従事者による実施が推奨
- 自己記入式での実施も可能
- センシティブな質問を含むため、プライベートな環境での実施が必要
制限事項
- 更年期症状の診断単独では使用不可
- 腟・泌尿器症状は含まれていない
- 文化的背景による症状表現の違いを考慮する必要
参考文献
- Greene JG. Constructing a standard climacteric scale. Maturitas. 1998;29(1):25-31.
- Greene JG. A factor analytic study of climacteric symptoms. Journal of Psychosomatic Research. 1976;20:425-430.