CliniScale 臨床評価スケール情報
GHQ (GHQ 精神健康調査票 12 項目版)
詳細情報
このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。
正確な情報については、必ず原典を参照してください。
業務でのご利用には、個人情報・個人データを侵害しないウェブ問診システムの
セキュア問診票
をご利用ください。
患者さんの個人データに、運営会社や第三者はアクセス不可能である、という点が最大の特徴です。
個人データの流出や営利目的の転用は絶対にありません！
基本情報
正式名称: General Health Questionnaire
日本語名: GHQ 精神健康調査票 12 項目版
対象年齢: 成人（18 歳以上）
評価目的: 一般健康状態評価
実施時間: 5-10 分
開発背景
開発者: David P. Goldberg
発行年: 1972 年（60 項目版）、1979 年（12 項目版）
理論的基盤: 一般精神医学、地域疫学研究、WHO 版に準拠
著作権・使用条件
- 原著者: David Goldberg（英国 Maudsley 精神医学研究所）
- 日本版作成者: 中川泰彬、大坊郁夫
- 日本語版発行: 日本文化科学社
情報なし
商用利用
可
許諾
必要
料金
有料
研修
不要
原開発者: David Goldberg (1972)
日本語版: Japanese version validated by Nakagawa and Daibo (1985)
利用時の推奨事項
GL Assessmentに連絡して許諾取得。アプリで明記
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 12 項目
- サブスケール数: 2-3 因子（研究により異なる）
- 評価方式: 4 段階リカート評価
- 評価期間: 過去 2-3 週間の状態
項目群詳細
1. 心理的苦痛・不安抑うつ因子
- 緊張・イライラ
- 不幸感・憂うつ感
- 自信喪失
- 無価値感
- 心配による睡眠障害
2. 社会的機能障害因子
- 有用感
- 決断力
- 困難克服感
- 活動の楽しみ
- 問題解決能力
- 幸福感
3. 身体症状因子（28 項目版に比べ限定的）
- 身体的不調による集中困難
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: Cronbach's α = 0.84-0.86（日本版）
- テスト再テスト信頼性: 中程度から高い相関
- 評定者間信頼性: 自己記入式のため該当なし
妥当性
- 感度: 約 80-90%（精神科受診者での研究）
- 特異度: 約 80-85%
- その他: 他の精神健康尺度との高い相関、因子構造は文化間で比較的安定
得点化・解釈
基本得点
- リカート採点法（0-1-2-3）: 各項目を 0 点から 3 点で採点、総得点範囲 0-36 点
- GHQ 採点法（0-0-1-1）: 各項目を 0 点または 1 点で採点（閾値: 2 点以上で 1 点）、総得点範囲 0-12 点
重症度の目安
GHQ 採点法による判定
- 正常範囲: 0-1 点
- 軽度の精神的問題の可能性: 2-3 点
- 中等度以上の精神的問題の可能性: 4 点以上
リカート採点法による判定
- 正常範囲: 0-10 点
- 軽度: 11-15 点
- 中等度以上: 16 点以上
実施上の注意点
対象者
- 成人（18 歳以上）
- 認知機能に重大な障害のない者
- 日本語理解が可能な者
評価者
- 特別な資格は不要
- 結果解釈には精神保健の知識が望ましい
- 医療従事者による総合的判断が必要
制限事項
- スクリーニングツールであり診断ツールではない
- カットオフ値は集団や目的により調整が必要
- 文化的背景による解釈の違いに注意
参考文献
- Goldberg, D. P. (1972). The detection of psychiatric illness by questionnaire. Oxford University Press.
- 中川泰彬・大坊郁夫 (1985). 日本版 GHQ 精神健康調査票手引. 日本文化科学社.
- 新納美美・森俊夫 (2001). 企業労働者への調査に基づいた日本版 GHQ-12 の信頼性と妥当性の検討. 精神医学, 43(4), 431-436.