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GDS (高齢者用うつ尺度短縮版)

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基本情報

正式名称: Geriatric Depression Scale

日本語名: 高齢者用うつ尺度短縮版

対象年齢: 55 歳以上(主に 65 歳以上の高齢者)

評価目的: 高齢者うつ病スクリーニング

実施時間: 5-10 分

開発背景

開発者: Sheikh JI, Yesavage JA

発行年: 1986 年(短縮版)、原版は 1982 年(Yesavage, Brink 等)

理論的基盤: 高齢者特有のうつ症状に特化した評価

著作権・使用条件

  • パブリックドメイン: Sheikh & Yesavage, 1986 年発表時点で明記
情報なし
原開発者: Jerome A. Yesavage et al. (1983); short form in 1986
日本語版: Japanese version translated by Niino et al. (1991); validated by Matsubayashi et al.
利用時の推奨事項 原著論文への引用を含める。正確な複製を確保。Webアプリでは必要に応じて発行者に確認

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 15 項目
  • サブスケール数: 2(正の感情の欠如、抑うつ気分)
  • 評価方式: Yes/No(はい/いいえ)の 2 択

項目群詳細

1. 正の感情の欠如サブスケール - 5 項目

  • 項目 1, 5, 7, 11, 13(逆転項目)
  • 生活満足、機嫌の良さ、幸福感、生きがい、活力を評価

2. 抑うつ気分サブスケール - 10 項目

  • 項目 2, 3, 4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15
  • 興味の喪失、空虚感、退屈、不安、無力感、絶望感等を評価

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: Cronbach's α = 0.75-0.83
  • テスト再テスト信頼性: 良好(実質的一致)
  • 評定者間信頼性: 自己記入式のため該当なし

妥当性

  • 感度: 92%
  • 特異度: 89%
  • その他: PHQ-9、BDI との高い相関、DSM-5 診断基準との一致

得点化・解釈

基本得点

  • 各項目 1 点、総得点 0-15 点
  • 逆転項目(1,5,7,11,13): 「いいえ」で 1 点
  • 通常項目(2,3,4,6,8,9,10,12,14,15): 「はい」で 1 点

重症度判定の目安

  • 正常: 0-4 点
  • 軽度うつ: 5-8 点
  • 中等度うつ: 9-11 点
  • 重度うつ: 12-15 点

実施上の注意点

対象者

  • 55 歳以上の高齢者
  • 軽度から中等度の認知障害でも実施可能
  • 身体疾患合併例でも使用可能

評価者

  • 特別な資格不要
  • 必要に応じて質問の繰り返し可能
  • 口頭での実施も可能

制限事項

  • 診断的面接の代替ではない
  • 自殺リスクの評価は含まない
  • 重度認知症では精度が低下する可能性

参考文献

  • Sheikh JI, Yesavage JA. Geriatric Depression Scale (GDS): recent evidence and development of a shorter version. Clin Gerontol. 1986;5(1/2):165-173.
  • 杉下守弘, 朝田隆. 高齢者用うつ尺度短縮版—日本版(GDS-S-J)の作成について. 認知神経科学. 2009;11(1):87-90.