GAD-7 (全般性不安障害 7 項目尺度)
詳細情報
このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。
正確な情報については、必ず原典を参照してください。
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基本情報
正式名称: Generalized Anxiety Disorder-7
日本語名: 全般性不安障害 7 項目尺度
対象年齢: 成人(18 歳以上)、青年(14-17 歳)でも検証済み
評価目的: 全般性不安障害スクリーニング (7項目)
実施時間: 2-5 分
開発背景
開発者: Robert L. Spitzer, Kurt Kroenke, Janet B. W. Williams ら
発行年: 2006 年
理論的基盤: DSM-IV 全般性不安障害診断基準
著作権・使用条件
- 著作権フリー: Pfizer の教育助成金により開発され、複製・翻訳・配布に許可は不要
情報なし
商用利用
可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Robert L. Spitzer et al. (2006)
日本語版: Japanese version validated by Muramatsu et al. (2007)
利用時の推奨事項
開発者への謝辞を含める。Webアプリではライセンス不要
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 7 項目 + 機能障害評価 1 項目
- 評価方式: 4 段階評価(0-3 点)、過去 2 週間の症状頻度
項目群詳細
1. 主要 7 項目
- 神経過敏、不安、緊張感
- 心配を止められない、コントロールできない
- 様々なことを心配しすぎる
- リラックスすることが困難
- じっとしていられないほど落ち着かない
- イライラしやすい、怒りっぽい
- 恐ろしいことが起こるのではないかという恐怖
2. 機能障害評価項目
- 症状による仕事・家事・対人関係への影響度
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: Cronbach's α = 0.92
- テスト再テスト信頼性: r = 0.83(1 週間間隔)
- 評定者間信頼性: 自己報告式のため該当なし
妥当性
- 感度: 89%(カットオフ 10 点)、92%(カットオフ 8 点)
- 特異度: 82%(カットオフ 10 点)、76%(カットオフ 8 点)
- その他: パニック障害、社交不安障害、PTSD のスクリーニングにも有効
得点化・解釈
基本得点
- 各項目 0-3 点、総得点 0-21 点(高得点ほど重症)
重症度分類の目安
- 最小限の不安: 0-4 点
- 軽度の不安: 5-9 点
- 中等度の不安: 10-14 点
- 重度の不安: 15-21 点
スクリーニングカットオフ
- 要精査レベル: 8 点以上(感度 92%、特異度 76%)
- 中等度以上の不安症状: 10 点以上(感度 89%、特異度 82%)
実施上の注意点
対象者
- 成人・青年(14 歳以上)
- 一般診療、プライマリケア、精神科外来で使用可能
評価者
- 自己記入式のため特別な訓練不要
- 結果解釈には臨床経験が必要
制限事項
- スクリーニングツールであり、診断には包括的評価が必要
- 他の精神疾患との併存を考慮する必要
- 自己報告による主観的評価
参考文献
- Spitzer RL, Kroenke K, Williams JB, Löwe B. A brief measure for assessing generalized anxiety disorder: the GAD-7. Arch Intern Med. 2006;166:1092-7.
- Kroenke K, Spitzer RL, Williams JB, et al. Anxiety disorders in primary care: prevalence, impairment, comorbidity, and detection. Ann Intern Med. 2007;146:317-25.