CliniScale 臨床評価スケール情報
DAST-10 (薬物依存スクリーニングテスト)
詳細情報
このアプリは、CliniScaleで提供している臨床評価スケールの内容を説明するものです。
正確な情報については、必ず原典を参照してください。
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基本情報
正式名称: Drug Abuse Screening Test
日本語名: 薬物依存スクリーニングテスト
対象年齢: 成人および年長の青少年
評価目的: 薬物依存スクリーニング
実施時間: 約 5 分
開発背景
開発者: Harvey Skinner, PhD (York University)
発行年: 1982 年
理論的基盤: 薬物乱用の結果と重症度の評価
著作権・使用条件
Copyright 1982 by the Addiction Research Foundation
情報なし
商用利用
不可
許諾
不要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Harvey A. Skinner (1982)
日本語版: Japanese version validated; studies by Shimane et al.
利用時の推奨事項
謝辞を含める。Webアプリでは商用要素が該当するか確認
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 10 項目
- サブスケール数: なし（単一因子構造）
- 評価方式: はい/いいえの 2 択回答
- 特殊配点: 第 3 問のみ「いいえ」で 1 点、他は全て「はい」で 1 点
評価項目詳細
1. 薬物使用行動 - 3項目
- 医学的理由以外での薬物使用
- 複数薬物の同時乱用
- 使用コントロール困難（逆配点）
2. 薬物使用の身体的・心理的影響 - 3項目
- 記憶の欠落・フラッシュバック
- 罪悪感
- 離脱症状
3. 社会的・対人的影響 - 2項目
- 家族からの苦情
- 家族軽視
4. 法的・医学的問題 - 2項目
- 違法行為
- 医学的問題
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: α = 0.92-0.94（DAST-28）、α = 0.74-0.95（DAST-20）、α = 0.93（DAST-10 ペルシャ語版）
- テスト再テスト信頼性: 高い信頼性が報告（日本語版 r = 0.86）
- 評定者間信頼性: 該当なし（自己回答式）
妥当性（日本語版）
- 内的整合性: α = 0.95（全体）、男性 α = 0.95、女性 α = 0.84 (Shimane et al., 2015, DAST-20)
- 併存的妥当性: SDS-J との相関 r = 0.85（強い正の相関）、AUDIT との相関 r = 0.41（中程度の正の相関）
- その他: 単一因子構造が確認（EFA、CFA）
得点化・解釈
基本得点
- 各項目について「はい」回答で 1 点を付与（第 3 問のみ「いいえ」で 1 点）
- 合計点範囲: 0-10 点
薬物乱用問題レベルの目安
- 問題なし: 0 点（現時点では介入なし）
- 軽微レベル: 1-2 点（モニタリング、後日再評価）
- 中等度レベル: 3-5 点（詳細な調査が必要）
- 相当レベル: 6-8 点（集中的な評価が必要）
- 重大レベル: 9-10 点（集中的な評価が必要）
実施上の注意点
対象者
- 薬物使用歴のある成人および年長青少年
- 医療機関受診者、治療評価研究対象者
評価者
- 医療従事者、メンタルヘルス専門家
- 薬物乱用に関する基本的知識が必要
制限事項
- スクリーニングツールであり診断ツールではない
- 臨床面接や他の評価と組み合わせて使用
- アルコールは対象外
- 過去 12 か月間の使用に限定
参考文献
- Skinner, H.A. (1982). Drug Abuse Screening Test. Addictive Behaviors, 7(4), 363-371.
- Shimane, T., Imamura, A., Ikeda, K., et al. (2015). Reliability and Validity of the Japanese Version of the DAST-20. Jpn. J. Alcohol & Drug Dependence, 50(6), 310-324.