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Clavien-Dindo (Clavien-Dindo 術後合併症分類)

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基本情報

正式名称: Clavien-Dindo Classification

日本語名: Clavien-Dindo 術後合併症分類

対象年齢: 成人 (主に手術患者)

評価目的: 外科合併症の分類 (グレードI-V)

実施時間: 数分 (臨床経過に基づく)

開発背景

開発者: Pierre-Alain Clavien, Daniel Dindo

発行年: 1992 年初期版、2004 年更新版

理論的基盤: 合併症の治療に必要な介入レベル (薬物療法、侵襲的処置、臓器不全、死亡) に基づく客観的分類。従来の曖昧な分類を標準化し、臨床研究での比較を可能にする

著作権・使用条件

公的ドメイン (著作権制限なし)

情報なし
商用利用 可
許諾 不要
料金 無料
研修 不要
原開発者: Pierre A. Clavien et al. (1992); revised by Daniel Dindo, Nicolas Demartines, Pierre A. Clavien (2004)
日本語版: JCOG extended version published (2016); widely used in Japanese surgical practice
利用時の推奨事項 原著論文（Ann Surg 2004）を引用。学術論文として発表されており自由に使用可能。Webアプリでの実装に制限なし

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: なし (グレード分類システム)
  • サブスケール数: なし
  • 評価方式: グレード I-V (サブグレード a/b を含む)

グレード詳細

1. Grade I - 軽微な合併症

  • 通常の術後経過からの逸脱だが、薬物療法や侵襲的介入を要さない
  • 許容される薬物療法: 制吐剤、解熱剤、鎮痛剤、利尿剤、電解質補正、理学療法
  • 例: 軽度の創部感染を創部開放のみで治療

2. Grade II - 薬物療法が必要

  • Grade I で許容される以外の薬物療法が必要
  • 抗生剤、輸血、高カロリー輸液などの薬物療法が必要
  • 例: 創部感染に対する抗生剤投与、術後貧血に対する輸血

3. Grade III - 侵襲的処置が必要

  • IIIa: 全身麻酔を要さない侵襲的処置 (内視鏡、放射線学的介入、ドレナージなど)
  • IIIb: 全身麻酔下での侵襲的処置 (再手術など)

4. Grade IV - 生命を脅かす合併症

  • IVa: 単一臓器不全 (人工呼吸管理、持続透析、昇圧剤など ICU 管理を含む)
  • IVb: 多臓器不全

5. Grade V - 死亡

  • 合併症が直接原因で患者が死亡

追記 (suffix "d")

  • 退院時に合併症が継続している場合、グレードに"d"を追加 (例: Grade IIId)

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 該当なし (分類システムのため)
  • テスト再テスト信頼性: 高 (κ = 0.8 以上)
  • 評定者間信頼性: 中程度から高 (κ = 0.6-0.9、トレーニングにより向上)

妥当性

  • 感度: 高 (軽微なものから重症まで広範に捕捉)
  • 特異度: 高 (治療の必要性に基づく臨床的意義)
  • その他: 10,000 以上の論文で引用、外科合併症報告の国際標準

得点化・解釈

基本得点

治療介入レベルに基づくグレード割り当て (スコアではない)

重症度の目安

  • Grade I-II: 軽度合併症 - 保存的治療で対応可能
  • Grade III: 中等度合併症 - 侵襲的介入が必要
  • Grade IV: 重症合併症 - 生命に関わる、ICU 管理が必要
  • Grade V: 最重度 - 致命的

実施上の注意点

対象者

  • 全ての外科手術後患者 (一般外科、泌尿器科、産婦人科など)

評価者

  • 外科医による評価、詳細な記録が必要
  • 複数の医師による合意形成が推奨

制限事項

  • 患者が複数の合併症を有する場合、最も重症なグレードで分類
  • 評価に主観性が残る (特に Grade I と II、IIIa と IIIb の区別)
  • トレーニングと標準化が推奨
  • 文化的・施設間の差による解釈の違いに注意

参考文献

  • Dindo D, Demartines N, Clavien PA. Classification of surgical complications: a new proposal with evaluation in a cohort of 6336 patients and results of a survey. Ann Surg. 2004;240(2):205-13. PMID: 15273542
  • Clavien PA, et al. The Clavien-Dindo classification of surgical complications: five-year experience. Ann Surg. 2009;250(2):187-96. PMID: 19638912