CKD-CGA分類 (CKD-CGA 分類(慢性腎臓病重症度分類))
詳細情報
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基本情報
正式名称: CKD Cause-GFR-Albuminuria Classification
日本語名: CKD-CGA 分類(慢性腎臓病重症度分類)
対象年齢: 18 歳以上の成人
評価目的: 慢性腎臓病重症度分類
実施時間: 約 5-10 分(検査結果入力)
開発背景
開発者: 日本腎臓学会
発行年: 2012 年(2023 年最新改訂)
理論的基盤: KDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)の国際ガイドラインを日本人向けに改変
著作権・使用条件
日本腎臓学会による診療ガイドラインに基づく分類システム。医療現場での標準的評価法として確立されており、問診票形式での利用は一般的。
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: KDIGO (2012); CGA classification
日本語版: Japanese guidelines adopt; translated
利用時の推奨事項
KDIGOに連絡。出典を明記
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 3 つの主要評価軸
- サブスケール数: 原疾患(C)、腎機能(G)、蛋白尿(A)の 3 軸
- 評価方式: 客観的検査値による分類システム
評価軸詳細
1. 原疾患(Cause:C)- 1軸
- 糖尿病性腎症 vs 非糖尿病性腎疾患
- 具体的疾患の特定と分類
2. 腎機能(GFR:G)- 6段階
- G1: eGFR ≥90 mL/分/1.73m²(正常または高値)
- G2: eGFR 60-89 mL/分/1.73m²(正常または軽度低下)
- G3a: eGFR 45-59 mL/分/1.73m²(軽度〜中等度低下)
- G3b: eGFR 30-44 mL/分/1.73m²(中等度〜高度低下)
- G4: eGFR 15-29 mL/分/1.73m²(高度低下)
- G5: eGFR <15 mL/分/1.73m²(末期腎不全)
3. 蛋白尿・アルブミン尿(Albuminuria:A)- 3段階
糖尿病患者(アルブミン尿基準):
- A1: 正常〜軽度増加(<30mg/gCr)
- A2: 中等度増加(30-299mg/gCr)
- A3: 高度増加(≥300mg/gCr)
非糖尿病患者(蛋白尿基準):
- A1: 正常〜軽度増加(<0.15g/gCr)
- A2: 中等度増加(0.15-0.49g/gCr)
- A3: 高度増加(≥0.50g/gCr)
信頼性・妥当性
信頼性
- 測定者間信頼性: 検査値ベースのため客観的で高い再現性
- 内的整合性: 各軸が独立した予後因子として確立
妥当性
- 予測妥当性: 末期腎不全、心血管疾患死亡リスクとの強い関連
- 国際的妥当性: KDIGO ガイドラインとの整合性
- その他: 日本人用 eGFR 推算式による精度向上
得点化・解釈
基本得点
- 数値的スコアリングではなく、分類システム
- 例:糖尿病 G3aA2、慢性腎炎 G4A1 等の表記
重症度の目安
- 軽症: G1-G2 かつ A1-A2
- 中等症: G3a または A3
- 重症: G3b-G4 かつ A2-A3
- 最重症: G5(末期腎不全)
リスク評価
- 緑色ゾーン: 低リスク
- 黄色ゾーン: 中等度リスク
- オレンジ色ゾーン: 高リスク
- 赤色ゾーン: 最高リスク
実施上の注意点
対象者
- 18 歳以上の成人
- 血液検査(血清クレアチニン)結果が利用可能
- 尿検査(蛋白尿またはアルブミン尿)結果が利用可能
評価者
- 医師または医療従事者による結果解釈が必要
- 患者自身での入力は可能だが、結果の臨床的判断は医療専門家が実施
制限事項
- 極端な筋肉量の場合は eGFR 推算式の精度が低下
- 一時的な腎機能変化では慢性腎臓病の診断不可
- 3 か月以上の持続が診断に必要
参考文献
- 日本腎臓学会編. エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン 2023. 東京医学社, 2023
- 日本腎臓学会編. CKD 診療ガイド 2012. 東京医学社, 2012