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CCS (カナダ心血管学会狭心症分類)

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基本情報

正式名称: Canadian Cardiovascular Society Angina Classification

日本語名: カナダ心血管学会狭心症分類

対象年齢: 成人(通常18歳以上)

評価目的: 狭心症分類

実施時間: 2-3分

開発背景

開発者: Canadian Cardiovascular Society委員会

発行年: 1976年

理論的基盤: NYHA心機能分類とAMA器質的心疾患分類を参考

著作権・使用条件

原典論文は1976年発表のため著作権保護期間外。分類基準は医学的標準として広く使用。

パブリックドメイン
原開発者: Campeau (1976)
日本語版: Japanese cardiology guidelines
利用時の推奨事項 出典を引用

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 4クラス分類(Class I-IV)
  • サブスケール数: なし(単一分類)
  • 評価方式: 運動負荷に対する症状閾値による4段階評価

分類詳細

Class I - 軽度

  • 通常の身体活動では狭心症は起こらない
  • 激しい運動、急速な運動、または長時間の運動でのみ症状出現

Class II - 軽度から中等度の制限

  • 通常の身体活動がわずかに制限される
  • 急速な歩行、階段昇降、坂道歩行、食後、寒冷時、情緒的ストレス下で症状出現
  • 平地200m以上歩行または1階分以上の階段昇降で症状

Class III - 著明な制限

  • 通常の身体活動が著明に制限される
  • 平地100-200m歩行または通常のペースでの1階分階段昇降で症状

Class IV - 重度

  • いかなる身体活動も不快感なしには行えない
  • 安静時にも狭心症症状が出現することがある

信頼性・妥当性

信頼性

  • 評定者間信頼性: 60%(κ係数、Christensen et al.)
  • 内的整合性: 単一項目評価のため非適用
  • テスト再テスト信頼性: 限定的データ

妥当性

  • 構成概念妥当性: Duke Activity Status Index (DASI)との負の相関(r=-0.23, p<0.01)
  • 予測妥当性: 8年死亡率 - Class I: 20.5%, Class II: 24.1%, Class III: 40.4%, Class IV: 35.3%
  • その他: 運動負荷試験結果との相関確認

得点化・解釈

基本得点

  • クラス分類による段階評価(1-4)
  • 数値が高いほど重症度が高い

重症度の目安

  • Class I: 軽度 - 通常活動制限なし
  • Class II: 軽度-中等度 - わずかな活動制限
  • Class III: 中等度-重度 - 著明な活動制限
  • Class IV: 重度 - 安静時症状または極軽微な活動でも症状

臨床的意義

  • Class I-II: 通常は薬物療法と生活指導
  • Class III-IV: より積極的な治療介入の検討対象

実施上の注意点

対象者

  • 労作性狭心症が疑われる患者
  • 冠動脈疾患の診断が確定または疑われる患者
  • 不安定狭心症の急性期は除外

評価者

  • 循環器系疾患の知識を有する医療従事者
  • 患者の活動レベルと症状の関係を適切に評価できる者

制限事項

  • 主観的評価のため評価者間のばらつきあり
  • ニトログリセリン使用前後での活動能力差は考慮されない
  • ウォーミングアップ効果は評価に含まれない
  • 安静時症状のある不安定狭心症の評価には不適

参考文献

  • Campeau L. Grading of angina pectoris. Circulation 1976;54:522-3