CAM (混乱評価方法、せん妄評価法)
詳細情報
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基本情報
正式名称: Confusion Assessment Method
日本語名: 混乱評価方法、せん妄評価法
対象年齢: 成人(18歳以上)
評価目的: せん妄評価
実施時間: 約3-5分
開発背景
開発者: Sharon K. Inouye, et al.
発行年: 1990年
理論的基盤: DSM-III-R診断基準
著作権・使用条件
- 原著作権者: Sharon K. Inouye, MD, MPH
情報なし
商用利用
不可
許諾
必要
料金
無料
研修
不要
原開発者: Sharon K. Inouye et al. (1990)
日本語版: Japanese version validated; CAM-ICU by Koga et al. (2015)
利用時の推奨事項
Hospital Elder Life Programに許諾を求める。出典を明記
尺度構成
全体構造
- 総項目数: 4項目(特徴)
- サブスケール数: なし
- 評価方式: 有無による2択評価
診断特徴詳細
1. 精神状態変化の急性発症または変動性の経過
- 患者の精神状態に急激な変化があったか
- 症状の程度が1日の中で変動するか
2. 注意力の欠如
- 注意を集中したり維持することが困難
- 容易に気が散る状態
3. 意識レベルの変化
- 正常な覚醒状態以外の状態
- 過度に注意深い、嗜眠状態、昏迷状態など
4. 無秩序な思考
- 思考が無秩序または一貫性がない
- 支離滅裂な会話、論理性の欠如
信頼性・妥当性
信頼性
- 内的整合性: 高い一貫性を示す
- 評定者間信頼性: κ=0.81-0.83
妥当性
- 感度: 94-100%(原典研究)
- 特異度: 90-95%(原典研究)
- その他: メタ解析結果: 感度94% (95% CI: 91-97%), 特異度89% (95% CI: 85-94%)、DSM-IV-TRとの高い一致性
得点化・解釈
基本得点
診断アルゴリズム:
- 特徴1(急性発症・変動)AND 特徴2(注意力欠如)が必須
- さらに特徴3(意識レベル変化)OR 特徴4(思考の混乱)のいずれかが必要
診断判定
- せん妄あり: 上記アルゴリズムを満たす場合
- せん妄なし: 上記アルゴリズムを満たさない場合
実施上の注意点
対象者
- 急性疾患や手術後の患者
- 高齢者や重篤な疾患を有する患者
- 認知機能低下のリスクがある患者
評価者
- 医師、看護師などの医療従事者が実施
- 適切な観察と評価技術が必要
- 患者との直接的な接触による評価
制限事項
- 重度の意識障害患者では評価困難
- 言語的コミュニケーションが困難な場合は適用制限
- 文化的背景や言語の違いが評価に影響する可能性
参考文献
- Inouye SK, van Dyck CH, Alessi CA, et al. Clarifying confusion: the confusion assessment method. Ann Intern Med. 1990;113(12):941-948 (PMID: 2240918)
- Wei LA, Fearing MA, Sternberg E, Inouye SK. The Confusion Assessment Method (CAM): A systematic review of current usage. J Am Geriatr Soc. 2008;56:823-830