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C-SSRS (コロンビア自殺重症度評価尺度)

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正確な情報については、必ず原典を参照してください。

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基本情報

正式名称: Columbia Suicide Severity Rating Scale

日本語名: コロンビア自殺重症度評価尺度

対象年齢: 全年齢(5 歳以上の小児版も存在)

評価目的: 自殺リスク評価

実施時間: 数分(スクリーナー版は 1-3 分)

開発背景

開発者: Kelly Posner 博士ら(コロンビア大学、ペンシルベニア大学、ピッツバーグ大学)

発行年: 2011 年

理論的基盤: 自殺念慮と自殺行動を分離した 4 つの構成概念(念慮の重症度、念慮の強度、行動、致死性)

著作権・使用条件

原典論文の著者らに帰属。公的使用において無料で利用可能。

制限あり
原開発者: Kelly Posner et al. (2008)
日本語版: Japanese version validated; studies by Fujisawa et al.
利用時の推奨事項 Columbia Lighthouse Projectに連絡。アプリでの自己実施には不適切

尺度構成

全体構造(スクリーナー版)

  • 総項目数: 6-7 項目(条件分岐により変動)
  • サブスケール数: 2 領域(自殺念慮・自殺行動)
  • 評価方式: はい/いいえの 2 段階評価
  • 評価期間: 過去 1 か月間(自殺行動の一部は過去 3 か月)

自殺念慮評価詳細

1. 死にたい気持ちの有無 - 1項目

  • 過去 1 か月間

2. 自殺念慮の有無 - 1項目

  • 過去 1 か月間

3. 自殺方法への考え - 1項目

  • 質問 2 が「はい」の場合のみ

4. 実行意図の有無 - 1項目

  • 質問 2 が「はい」の場合のみ

5. 自殺計画の詳細化・実行意図 - 1項目

  • 質問 2 が「はい」の場合のみ

自殺行動評価詳細

6. 自殺行動の既往 - 1項目

  • 生涯にわたって

7. 最近の自殺行動 - 1項目

  • 過去 3 か月以内
  • 質問 6 が「はい」の場合のみ

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: クロンバック α = 0.95(念慮強度サブスケール)
  • テスト再テスト信頼性: 良好
  • 評定者間信頼性: 高い一致率

妥当性

  • 感度: 67%(自殺行動の予測)
  • 特異度: 76%(自殺行動の予測)
  • 予測妥当性: スクリーナー版は 1 週間、1 か月、1 年後の自殺死を堅実に予測
  • その他: 他の自殺評価尺度との良好な収束・発散妥当性

実施上の注意点

対象者

  • 自殺リスクが疑われる全ての年齢層
  • 精神科患者、救急外来患者、一般医療患者、学校・職場等のスクリーニング

評価者

  • 特別な訓練は必須ではないが、基本的な理解が推奨
  • 結果の解釈と対応には専門的判断が必要
  • 高リスク判定時は即座に専門医への紹介が必要

制限事項

  • スクリーニングツールであり診断ツールではない
  • 高リスク判定時は専門医への紹介が必要
  • 文化的・言語的適応が重要
  • 「いいえ」回答でも臨床的判断で総合評価が必要

参考文献

  • Posner K, Brown GK, Stanley B, et al. The Columbia-Suicide Severity Rating Scale: initial validity and internal consistency findings from three multisite studies with adolescents and adults. Am J Psychiatry. 2011;168(12):1266-1277
  • 白取有紀ら. コロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia Suicide Severity Rating Scale;C-SSRS)日本語版の妥当性・信頼性の検討. 精神神経学雑誌. 2016(詳細な発行情報は要確認)