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Borg Scale (修正ボルグスケール)

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基本情報

正式名称: Borg Scale

日本語名: 修正ボルグスケール

対象年齢: 制限なし(理解能力に応じて)

評価目的: 労作時呼吸困難評価

実施時間: 1-2分

開発背景

開発者: Gunnar Borg(スウェーデンの心理学者)

発行年: オリジナル版1970年(6-20スケール)、CR-10スケール1982年

理論的基盤: 主観的運動強度の数量化理論

著作権・使用条件

  • 修正ボルグスケール(Borg CR-10 Scale)はGunnar Borgによって開発され、パブリックドメインの評価尺度として広く使用されている
情報なし
原開発者: Borg (1982)
日本語版: Japanese version validated
利用時の推奨事項 許諾取得。検証済み日本語版を使用

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 1項目(11段階評価)
  • サブスケール数: なし
  • 評価方式: 0-10の数値スケール(0.5を含む11段階)

評価段階詳細

スケール構成(標準的記述子)

  • 0: 感じない
  • 0.5: 非常に弱い
  • 1: かなり弱い
  • 2: 弱い
  • 3: 中等度
  • 4: やや強い
  • 5: 強い
  • 6: (中間値)
  • 7: とても強い
  • 8: (中間値)
  • 9: (中間値)
  • 10: 非常に強い(最大)

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 単一項目のため該当なし
  • テスト再テスト信頼性: 高い相関(r=0.85-0.95)
  • 評定者間信頼性: 主観的評価のため該当なし

妥当性

  • 併存的妥当性: 心拍数、酸素摂取量、血中乳酸値と高い相関
  • 構成概念妥当性: 多数の研究で確認済み
  • 臨床的妥当性: 運動療法の安全性指標として有効

得点化・解釈

基本得点

  • 患者が選択した数値をそのまま使用(0-10)

運動強度の目安

  • 0-2: 軽度(安全範囲)
  • 3-4: 中等度(継続可能範囲)
  • 5-6: 強度(注意が必要)
  • 7以上: 非常に強度(運動中止を検討)

臨床的判断基準

  • 3-4: 非監視下運動に適した安全で効果的な強度
  • 4-5: トレーニング効果が期待できる強度
  • 7以上: 運動中止基準(心肺機能限界に近い)

実施上の注意点

対象者

  • 運動強度を主観的に評価できる認知機能を有する者
  • 認知症や知的発達障害がある場合は注意が必要

評価者

  • 医療従事者による適切な説明と指導が必要
  • 心拍数や酸素飽和度と併用して評価することが推奨

制限事項

  • βブロッカー使用者では心拍数との相関が低下する可能性
  • 運動初心者では数値と実際の強度が合致しない場合がある
  • 主観的評価のため個人差が存在

参考文献

  • Borg, G. (1982). Psychophysical bases of perceived exertion. Medicine & Science in Sports & Exercise, 14(5), 377-381.
  • Borg, G. (1998). Borg's Perceived Exertion and Pain Scales. Human Kinetics.
  • 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会:呼吸リハビリテーションマニュアル