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Barthel (バーセルインデックス、バーセル指数)

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個人データの流出や営利目的の転用は絶対にありません!

基本情報

正式名称: Barthel Index

日本語名: バーセルインデックス、バーセル指数

対象年齢: 特に制限なし(高齢者、脳卒中患者等で主に使用)

評価目的: 基本的ADL評価

実施時間: 5-10 分程度

開発背景

開発者: Florence I. Mahoney, Dorothea W. Barthel

発行年: 1965 年

理論的基盤: 神経筋骨格系疾患患者の自立度評価

著作権・使用条件

原典: Mahoney FI, Barthel DW. Functional evaluation: the Barthel Index. Maryland State Medical Journal 1965;14:61-65

情報なし
原開発者: Dorothea Barthel and Florence Mahoney (1965)
日本語版: Japanese version validated; used in geriatric care
利用時の推奨事項 学会を明記。非営利なら許諾不要

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 10 項目
  • サブスケール数: なし(単一尺度)
  • 評価方式: 2-4 段階評価、総合得点 0-100 点

評価項目詳細

1. 食事 - 10 点満点

  • 自立(10 点): 適当な時間内に自分で食事摂取、自助具装着可能
  • 部分介助(5 点): 食べ物を切る等の部分的介助が必要
  • 全介助(0 点): 全面的な介助が必要

2. 移乗 - 15 点満点

  • 自立(15 点): 車椅子からベッドへの移乗が全て自分で可能
  • 軽度部分介助(10 点): 移乗動作の一部に介助が必要
  • 高度部分介助(5 点): 起き上がり可能だが移乗に介助必要
  • 全介助(0 点): 全面的な介助が必要

3. 整容 - 5 点満点

  • 自立(5 点): 洗面、整髪、歯磨き、髭剃り(男性)、化粧(女性)が全て自立
  • 全介助(0 点): 上記動作に介助が必要

4. トイレ動作 - 10 点満点

  • 自立(10 点): トイレの出入り、衣服操作、後始末が全て自立
  • 部分介助(5 点): 身体支持、衣服操作、後始末に部分的介助必要
  • 全介助(0 点): 全面的な介助が必要

5. 入浴 - 5 点満点

  • 自立(5 点): 浴槽入浴、シャワー使用が全て自立
  • 全介助(0 点): 入浴に介助が必要

6. 歩行 - 15 点満点

  • 自立(15 点): 45m 以上の平地歩行が自立(補装具使用可)
  • 部分介助(10 点): 45m 以上の介助歩行、歩行器使用
  • 車椅子自立(5 点): 歩行不可だが車椅子操作で 45m 以上移動
  • 全介助(0 点): 移動に全面的介助が必要

7. 階段昇降 - 10 点満点

  • 自立(10 点): 手すり・杖使用可だが介助なしで階段昇降
  • 部分介助(5 点): 階段昇降に介助または監視が必要
  • 全介助(0 点): 階段昇降ができない

8. 更衣 - 10 点満点

  • 自立(10 点): 靴、ファスナー、装具を含む全ての更衣が自立
  • 部分介助(5 点): 部分的介助必要だが半分以上は自立
  • 全介助(0 点): 全面的な介助が必要

9. 排便コントロール - 10 点満点

  • 自立(10 点): 失禁なし、浣腸・座薬取り扱い可能
  • 部分介助(5 点): 時に失禁あり、浣腸・座薬に介助必要
  • 全介助(0 点): 失禁管理ができない

10. 排尿コントロール - 10 点満点

  • 自立(10 点): 失禁なし
  • 部分介助(5 点): 時に失禁あり、収尿器取り扱いに介助必要
  • 全介助(0 点): 失禁管理ができない

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 報告により異なるが概ね良好
  • テスト再テスト信頼性: 高い相関係数
  • 評定者間信頼性: 高い一致率

妥当性

  • 感度: ADL 変化に対して感度良好
  • 特異度: 他の ADL 尺度との高い相関
  • その他: 広範囲な妥当性研究により確立

得点化・解釈

基本得点

  • 各項目の得点を合計(最高 100 点、最低 0 点)
  • 点数が高いほど自立度が高い

自立度の目安

  • ADL 自立: 85 点以上
  • 部分自立: 60-84 点
  • 大部分介助: 40-59 点
  • 全介助: 0-39 点

実施上の注意点

対象者

  • 基本的 ADL の評価が必要な全ての対象者
  • 特に高齢者、脳卒中患者、神経筋疾患患者

評価者

  • 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護職員等
  • 対象者の日常的な状況を把握している者が望ましい

制限事項

  • 認知機能や手段的 ADL(IADL)は評価されない
  • 評価の粗さがあり、細かな変化を捉えにくい場合がある
  • 実際の生活環境での評価が重要

参考文献

  • Mahoney FI, Barthel DW. Functional evaluation: the Barthel Index. Maryland State Medical Journal 1965;14:61-65

リンク