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BITE (過食症調査テスト・エジンバラ版(大食症質問表))

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基本情報

正式名称: Bulimic Investigatory Test Edinburgh

日本語名: 過食症調査テスト・エジンバラ版(大食症質問表)

対象年齢: 思春期以降(研究では主に18歳以上の成人を対象)

評価目的: 過食症評価

実施時間: 約5-10分

開発背景

開発者: M. Henderson & C. P. L. Freeman

発行年: 1987年

理論的基盤: DSM-IIIの過食症診断基準とRussellの過食症定義

著作権・使用条件

  • Henderson, M., & Freeman, C. P. L. (1987). 原典論文では明確な著作権制限は記載されていないが、使用時は原典を適切に引用すること。
情報なし
原開発者: Max Henderson and Christopher Freeman (1987)
日本語版: Japanese version validated; studies by Nakai et al.
利用時の推奨事項 Mapi Research Trustに連絡。出典を明記。Webアプリでは許諾取得

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 33項目
  • サブスケール数: 2(症状スケールと重症度スケール)
  • 評価方式: はい/いいえ形式(症状スケール30項目)+ 段階評価(重症度スケール3項目)

サブスケール詳細

1. 症状スケール - 30項目

質問1-5, 8-33が対象(yes/no形式、各1点)

  • 摂食パターンの異常
  • 食行動への過度な関心
  • 体重・体型への恐怖
  • 食事制限行動
  • 過食行動とコントロール感の喪失
  • 食行動に関する羞恥心・罪悪感
  • 食行動の隠蔽

2. 重症度スケール - 3項目

質問6, 7, 27が対象(段階評価)

  • 断食の頻度(質問6):「一度だけ」=1点から「一日おき」=5点
  • 代償行動の頻度(質問7):「一度もない」=0点から「1日5回以上」=7点
  • 過食の頻度(質問27):「ほとんどない」=1点から「1日2-3回」=6点

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 症状スケール α = 0.95、重症度スケール α = 0.70
  • テスト再テスト信頼性: 良好(原典で報告)
  • 評定者間信頼性: 該当なし(自己報告式のため)

妥当性

  • 感度: 過食症に対してカットオフ値20で44%
  • 特異度: 92%(症状スケール、カットオフ値20)
  • その他: 因子分析により症状スケールは単因子構造を確認、DSM診断基準との相関性確認

得点化・解釈

基本得点

  • 症状スケール: 30項目の合計(0-30点)
  • 重症度スケール: 3項目の合計(0-39点、理論値)
  • 総得点: 症状スケール + 重症度スケール

評価の目安

  • 症状スケール:
    • 20点以上:過食障害の症状あり(推奨カットオフ値、特異度92%)
    • 10-19点:異常な食習慣の可能性
    • 10点未満:正常範囲
  • 重症度スケール:
    • 5点以上:摂食障害を示唆
    • 5点未満:軽度

実施上の注意点

対象者

  • 過食症状を呈する可能性のある青年・成人
  • 摂食障害のスクリーニングが必要な患者
  • 肥満患者における過食性障害の評価

評価者

  • 医療従事者、臨床心理士、研究者
  • 特別な資格は不要だが、結果の解釈には専門知識が必要

制限事項

  • スクリーニング用途であり、診断確定には臨床面接が必要
  • 神経性無食欲症の過食・排出型の識別には限界あり
  • 文化的背景による影響を考慮する必要あり

参考文献

  • Henderson, M., & Freeman, C. P. L. (1987). A self-rating scale for bulimia. The 'BITE'. British Journal of Psychiatry, 150(1), 18-24. doi: 10.1192/bjp.150.1.18