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AKIN基準 (AKIN 基準・急性腎障害ネットワーク基準)

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基本情報

正式名称: Acute Kidney Injury Network Criteria

日本語名: AKIN 基準・急性腎障害ネットワーク基準

対象年齢: 成人(18 歳以上)

評価目的: 急性腎障害診断基準

実施時間: 5-10 分(血液検査・尿量測定結果必要)

開発背景

開発者: Acute Kidney Injury Network (AKIN)

発行年: 2007 年

理論的基盤: RIFLE 基準の修正版として開発

著作権・使用条件

AKIN 基準は 2007 年に Acute Kidney Injury Network(AKIN)により公表された急性腎障害の診断基準で、医学的診断基準として広く使用されている。

パブリックドメイン
原開発者: Acute Kidney Injury Network (2007)
日本語版: Japanese guidelines adopt AKIN; translated
利用時の推奨事項 AKINを引用。ライセンス不要

尺度構成

全体構造

  • 総項目数: 血清クレアチニン基準と尿量基準の 2 つの主要指標
  • サブスケール数: Stage1-3 の 3 段階分類
  • 評価方式: 血清クレアチニンと尿量の変化による客観的評価

診断基準詳細

AKI 診断定義(以下のいずれか 1 つを満たす)

  • 48 時間以内の血清クレアチニン上昇 ≥0.3mg/dL
  • 基準値から 1.5 倍以上の血清クレアチニン上昇
  • 尿量 <0.5mL/kg/時が 6 時間以上持続

Stage 分類

  • Stage1: sCr 1.5-2.0 倍上昇 または ≥0.3mg/dL 上昇 / 尿量 <0.5mL/kg/時 ×6 時間以上
  • Stage2: sCr 2.0-3.0 倍上昇 / 尿量 <0.5mL/kg/時 ×12 時間以上
  • Stage3: sCr 3.0 倍以上上昇 または ≥4.0mg/dL または腎代替療法開始 / 尿量 <0.3mL/kg/時 ×24 時間以上 または 12 時間以上の無尿

信頼性・妥当性

信頼性

  • 内的整合性: 血清クレアチニンと尿量基準で高い一致性
  • 再現性: 多施設での検証により高い再現性を確認
  • 評定者間信頼性: 客観的指標のため評定者間のばらつきは最小

妥当性

  • 予測妥当性: 死亡率・合併症発生率と強い相関
  • 構成概念妥当性: RIFLE 基準との高い相関(r>0.9)
  • 基準関連妥当性: 透析導入・ICU 滞在期間との関連性確認

得点化・解釈

基本得点

血清クレアチニンと尿量の 2 つの基準で評価し、より重症度の高い方を採用

重症度の目安

  • Stage1(軽度): 早期介入により回復可能な段階
  • Stage2(中等度): 積極的治療介入が必要な段階
  • Stage3(重度): 腎代替療法を考慮すべき重篤な段階

実施上の注意点

対象者

  • 急性腎障害が疑われる入院患者
  • 腎毒性薬剤使用患者
  • 重篤疾患・手術患者

評価者

  • 血清クレアチニン値の正確な測定が必要
  • 尿量の正確な測定・記録が不可欠
  • 体液量補正後の評価が推奨される

制限事項

  • ベースライン腎機能が不明な場合は評価困難
  • 慢性腎臓病患者では解釈に注意が必要
  • 利尿薬使用時は尿量基準の解釈が困難

参考文献

  • Mehta RL, et al. Acute Kidney Injury Network: report of an initiative to improve outcomes in acute kidney injury. Crit Care 2007;11:R31.
  • KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury. Kidney Int Suppl 2012;2:1-138.